試乗記[2018.11.19 UP]


【試乗レポート BMW 8シリーズクーペ】ラグジュアリークラスを盛り立てる伊達な高級クーペ

BMW M850i xDrive

文●九島辰也 写真●BMW

 かつてスーパーカー的な扱いをされたBMW8シリーズ。リトラクタブルヘッドライトにクルマ少年は心ときめかしたものである。そんな8シリーズが再び21世紀版として我々の前に現れた。かねてからチラ見せされてきたが、いよいよ日本でも2018年11月9日に銀座で正式お披露目となった。これでラグジュアリークーペ市場はにわかに盛り上がりそうな気がする。



 その背景にはメルセデスSクラスクーペやベントレー・コンチネンタルGT、4ドアクーペではパナメーラの人気がある。SUVブームに隠れているが、この辺もじつはホット。それを実証するのが、2018年フルモデルチェンジされたアウディA7スポーツバックとメルセデス・ベンツCLS。どちらも最新のプラットフォームに最新のパワートレーンを載せて登場した。しかもスタイリッシュさを増しかっこよく仕上げている。デザイナーは相当頭を悩ませたことだろう。要するにメーカーはホンキってことだ。そしてこの8シリーズの発表。まるでSUVからの揺り返しが始まったようである。


従来の6シリーズをさらに上級移行させたラグジュアリーモデル


 さて、そんな8シリーズの登場で、BMWのラインナップは若干の変更がなされる。2ドアクーペ、カブリオレ、4ドアクーペを6シリーズから一気に格上げ。その受け皿として8シリーズが広く展開される。しかもそのなかにはハイパフォーマンス版のM8も含まれるというから期待が膨らむ。ちなみに、6シリーズにはグランツーリスモがそのまま残るらしい。グランツーリスモは日本ではマイナーだが、ヨーロッパでは走りと実用性を兼ね備えたモデルとして高く評価されている。



 それはともかく、8シリーズの第一弾としてM850i xDriveクーペが姿を現した。まず見る限りかなりデザインが凝っている。フロントはもちろんリヤのピラーは寝ていてサイドガラスを見てもその低さがわかる。ワイド&ローのボディはやはりカッコいい。実際、このクルマのスリーサイズは全長4855mm×全幅1900mm×全高1345mmで、これまでの650iクーペ Mスポーツの4895mm×1895mm×1370mmと比べ、なんと全長は40mm短くなった。そしてワイドは5mm広がり、高さは25mm低くなったのだから、まさにワイド&ロー化されたということだ。スタイリッシュなのは数字からも読み取れる。




想像以上に広くて快適なキャビンスペース


 車内はラグジュアリーさ満点。高級レザーと最新のインターフェイスのマッチングは絶妙で、8シリーズがハイエンドであることを表現する。インパネで目を引くのはセンターにある10.25インチのタッチ式コントロールディスプレイとメーター位置にある液晶ディスプレイ。これらがあらゆる情報をドライバーに提供する。今回の試乗ではカラーで見やすくなったヘッドアップディスプレイがかなり使えた。ステアリング上のスイッチを含め、技術力の向上で「目は道に手はハンドルに」の傾向はこれまで以上に強まっている。







 キャビンの広さはエクステリアデザインから想像するよりも広く、とくにフロントシートはゆったりしている。FRスポーツのアイコンでもある太いセンターコンソールがあっても邪魔にならない広さは確保された。ただ、リヤシートはそれなり。また、トランクルームのサイズも比較的がんばった。トランクスルー機構を多用すれば日常的にも使い勝手は悪くないはず。2ドアクーペを普段使いするのにここも重要なポイントとなる。


F1コースで行われた国際試乗会

自動車ジャーナリストの九島辰也氏。2019年登場予定のオープンバージョンとともに

 そして走りだが、今回新型8シリーズの国際試乗会はポルトガルの首都リスボンで行われた。しかもかつてポルトガルGPとしてF1が開催されたことのあるエストリルサーキットでの走行を含めてのテストドライブである。その点からしても、新型は彼らにとって自信作であることは間違いない。



  M850i xDriveクーペのエンジンは4.4LV8ターボで最高出力530馬力を発揮する。よって、スタートダッシュから高速域まで有り余るパワーを体感させる。サーキットではドライブモードを「スポーツプラス」にして、まんまレーシングカーのようなエキゾーストサウンドを轟かせて走る。ハンドリングはxDrive(4WD)にも関わらずFRスポーツ並みのフットワーク。xDriveなのはあり余るパワーをしっかり路面に伝えるための手法なのだろうが、フロントのトラクションが気にならないのはさすが。逆にBMWらしい軽快さにニヤケてしまうほど楽しい。それでいてxDriveならではの懐の深さがあり、コーナリング中でもしっかり4輪がトラクションを受け止めて駆る。サーキットではそこがしっかり伝わったのが印象的だった。




スポーツとラグジュアリー、そのどちらもが納得のできるレベルにあった


 といった走りをしておきながらの一般道での快適な乗り味には脱帽。ドライブモードを「コンフォート」にし、ラグジュアリーなドライビングを楽しめる。もちろん、それでいてワインディングをヒラリヒラリとこなすのだから最高だ。コンパクトクーペとの違いはここにあると言っていいだろう。
 高い次元でのこうした二面性が新生8シリーズの売りであり、開発陣がやりたかったこと。M850i xDriveクーペは見事にそれを具現化した。ビッグパワーのラグジュアリーSUVもいいけど、このサイズのクーペに注目だ!


BMW M850i xDriveクーペ(8速AT)


全長×全幅×全高 4855×1900×1345mm
ホイールベース 2820mm
車両重量 1870kg
エンジン V8DOHCターボ
総排気量 4394cc
最高出力 530ps/5500rpm
最大トルク 76.5kgm/1800-4600rpm
ブレーキ前後 Vディスク
タイヤ前・後 245/35R20・275/30R20

販売価格 1714万円
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