東京メトロは18日、車両基地イベント「メトロファミリーパーク in AYASE 2018」を綾瀬車両基地にて開催した。千代田線での運行を終えた6000系2編成が展示され、うち1編成は5000系・7000系と並び、もう1編成は乗車体験用の車両として使用された。

  • 東京メトロが事前応募制の車両基地イベント「メトロファミリーパーク in AYASE 2018」を開催。5000系・6000系・7000系が並んだ

千代田線の車両6000系は1968(昭和43)年に試験導入された後、1971年に量産車がデビュー。デビュー当時は回生ブレーキとチョッパ制御方式を取り入れた省エネルギー車両であり、アルミ製車体を本格導入するなど、6000系以降に製造された車両の標準型でもあったという。6000系は計353両製造されたが、近年は車両置換えが進み、今年10月5日をもって通常の営業運転が終了。11月11日まで土休日限定の特別運転が行われた。

「メトロファミリーパーク in AYASE 2018」では、6000系最後の2編成である6102編成・6130編成が登場。いずれも「ありがとう! 6000系」「47年間おつかれさま!」と描かれた引退記念のヘッドマークを掲出していた。

  • 6130号車にはヘッドマークや営団地下鉄時代のロゴに加え、引退記念の特別な装飾も

  • 6000系6102編成もヘッドマークを掲げて展示。乗車体験用の車両として使用され、ピットまで往復した

6130編成は車両展示会場にて、千代田線綾瀬~北綾瀬間(北綾瀬支線)で活躍した5000系(5951編成)、副都心線などで活躍中の7000系(7130編成)と並んで展示された。ヘッドマークや営団地下鉄時代のロゴをはじめ、前照灯付近に水滴型の装飾を施し、目から涙を思わせる演出も。5000系・7000系にも綾瀬車両基地の関係者がデザインしたというオリジナルのヘッドマークが掲げられた。6000系の6130編成に合わせて7000系の7130編成を選び、この日のために綾瀬車両基地まで運んできたという話も聞くことができた。

一方、6102編成は乗車体験用の車両として、参加者らを乗せて車庫線内を往復した。その様子は車両展示会場からも見ることができ、動く6000系の姿を写真・動画に収める参加者の姿が多かった。

  • 屋内では東京メトロ南北線9000系による車体吊上げ実演をはじめ、体験型イベントも多数用意された

  • ステージイベントも充実。JOYSOUND「鉄道カラオケ」体験イベントも行われた

イベントではその他、東京メトロ南北線9000系の先頭車(9118号車)を使用しての車体吊上げ実演や車両との綱引き体験、千代田線16000系の運転台見学、保守車両運転台見学、高所作業車乗車体験、車両洗浄乗車体験、パンタグラフ・ブレーキ操作体験、鉄道模型運転体験、こども制服撮影会、鉄道部品販売などが行われた。会場内の特設ステージでは、「鉄道BIG4」としても知られる岡安章介さん(ななめ45°)、吉川正洋さん(ダーリンハニー)、南田裕介氏(ホリプロマネージャー)、「女子鉄アナウンサー」久野知美さんらが登壇しての鉄道トークショーも行われていた。

「メトロファミリーパーク in AYASE 2018」は事前応募制で1万5,000名を招待。例年の応募者数が4万人弱に対し、今年は募集期間が長く、6000系引退などで関心が高まったこともあってか、応募者数は6万人を超えたという。なお、最後まで残った6000系2編成のうち、6130編成は海外へ譲渡される予定、6102編成については未定だが「廃車とは聞いていない」とのことで、譲渡または保存などの方向で検討を進めている様子がうかがえた。

  • 「メトロファミリーパーク in AYASE 2018」の車両展示会場に展示された5000系(5951編成)・6000系(6130編成)・7000系(7130編成)など