女優の広瀬すずが主演した日本テレビ系ドラマ『anone』(今年1月期放送)の番組PRポスタービジュアルが、「APAアワード2019」(主催:公益社団法人日本広告写真家協会)の優秀賞を受賞した。

  • 『anone』のポスター=日本テレビ提供

ニセ札づくりという犯罪を通して、社会からこぼれおちてしまった人たちが集い、家族のように暮らし始め、その人間模様を描いた社会派ドラマの同作。アートディレクター・写真家のワタナベアニス氏が撮影したこのポスターは、同作のためにバッサリ髪を切った広瀬がこちらを向いて見上げるデザインや、愛用のスケボーを持ったもので、キャッチコピーは「私を守ってくれたのは、ニセモノだけだった。」。異例の4種類のポスター展開となったが、1つの表情にドラマを背負わせることでイメージを限定したくないという考えがあったという。

ワタナベアニ氏は「広瀬すずさんを撮影させていただくのは初めてだったんですが、役のために思い切ったショートカットにした緊張感ある姿を見て、このままドキュメンタリーのように撮ればうまく行くと確信できました。『あのポスターの表情の意味が、ドラマが後半に行くにつれて理解できた』と、見た人から言われたときはうれしかったです」とコメント。

日本テレビの次屋尚プロデューサーは「戸惑いを覚えるほど思い切ったショートカットでイメチェンした広瀬すずのビジュアルと表情が当時話題となりました。脚本家(坂元裕二氏)は、このポスターを仕事場に貼ってドラマ執筆にいそしんでいたことを覚えています」と振り返りながら、「今ドラマ『anone』は海外でも高い評価を受けており、このポスタービジュアルの圧倒的インパクトが一役買っていることは言うまでもありません」と語っている。

なお同作は、フランス・カンヌで先月開催された国際映像コンテンツ見本市「MIPCOM」で、「MIPCOM BUERS'AWARD for Japanese Drama」のグランプリを受賞している。