YouTubeが提供する音楽以外のサービスも楽しめるサブスクリプション型のコンテンツサービス「YouTube Premium」も11月14日から始まりました。

YouTubeの動画が広告を挟むことなく視聴できたり、モバイル版ではバックグラウンド再生、オフライン再生も可能です。またYouTubeが制作する独自コンテンツ「YouTube Originals」の視聴にも対応しています。

  • 「YouTube Premium」Web版でYouTube Originalsを表示したところ

YouTube Premiumの提供価格はWeb/Android版が1,180円(税込)、iOS版が400円高い1,550円(税込)です。YouTube Music Premiumともに、家族6人まで1アカウントから同時にアクセスして楽しめるファミリープランも用意されます。価格はYouTube Premiumが2,400円(税込)、YouTube Music Premiumが1,950円(税込)。

独自コンテンツ「YouTube Originals」とは

YouTubeの独自映像コンテンツである「YouTube Originals」に関する取り組みについては、Google合同会社 YouTube Originals アジア太平洋地域マネージャーの朝倉耕太氏が紹介を担当しました。

  • YouTubeオリジナル動画コンテンツ「YouTube Originals」の制作について説明するGoogleの朝倉氏

朝倉氏は「現在30の地域・国で展開するYouTube Originalsは、今後も視聴者のためにオリジナルの動画や番組を圧倒的なスケールで提供していく」と宣言。日本でもはじめてのYouTube Originalsが提供する番組製作がスタートしました。

第1弾となる作品群の中にはマーベルとSEKAI NO OWARIが共同制作した音楽ドキュメンターリ「Re Imagine」や、ホラーコメディ「隙間男 STALKING VAMPIRE」、YouTuberのはじめしゃちょーが出演するドラマ「The Fake Show」の公開が予定されています。

  • 12月12日に公開される「The Fake Show」

  • 「The Fake Show」で主演するはじめしゃちょーもゲストとして発表会に参加しました

YouTube MusicはChromecastやサードパーティ対応も予定

発表会に出席したGoogle本社の音楽部門プロダクトマネージメント責任者であるT. ジェイ・ファウラ氏は、YouTube Musicのグローバル展開の戦略を壇上で次のように語りました。

  • 発表会に駆けつけたGoogle本社の音楽部門プロダクトマネージメント責任者 T. ジェイ・ファウラ氏

「動画サービスのYouTubeで音楽を楽しんでいるという方の声を受けて、音楽再生専用のより便利なストリーミングサービスを提供したいという思いからYouTube Musicを立ち上げた。

今から約2年前にGoogle Play MusicとYouTube Musicのチームを統合して、Googleが発信する最高の音楽体験をデザインしてきた。豊富なミュージックカタログから、ユーザーの音楽の好み、リスニング中の環境に合わせてベストな楽曲をレコメンデーションする独自機能もある。

高精度なアルゴリズムにはGoogleアシスタントから培ったノウハウが投入されている。ユーザーの志向性と深くマッチする音楽体験がYouTube Musicの強み。今後様々なデバイスで体験できるように、プラットフォーム整備を強化していきたい。」

Andorid/iOS、Webアプリのプラットフォームを広くカバーしながら満を持してスタートしたYouTube Musicですが、今後はChromecastやサードパーティーの製品にも対応の輪を広げていくそうです。

「YouTubeの音楽配信」で巻き返しなるか

ファウラ氏は、秋に日本でもGoogleアシスタントをビルトインする形でアップデートされたソニーのAndroid TV搭載のスマートテレビにも近々の対応を検討していると述べています。

また大画面テレビでの体験を最大化するため「4K高画質のYouTubeオリジナルコンテンツの制作にも意欲的にチャレンジしたい」とコメントしていました。現在もYouTubeでいくつかの4K映像が公開されていますが、YouTube Originalsのプラットフォームから発信する4Kミュージックビデオなどが、今後YouTube Music PremiumやYouTube Premiumから手軽に楽しめるようになるかもしれません。

日本国内でも既にSpotifyやApple Musicをはじめとする音楽配信サービスの展開が先行する中で、GoogleはGoogle Play Musicを早い段階から投入していたものの、Androidデバイスとの親和性の高さなど魅力を十分に打ち出せているとは言えない状況が続いていました。

広い認知を獲得している“YouTube”の名前を冠する音楽サービスに衣替えを図ることで、会心の巻き返しは成功するのでしょうか。ユーザーにとってはコンテンツが豊富で使いやすく、何よりコスパのよいコンテンツサービスであることが第一です。まずは無料トライアル期間中にプレミアムサービスの実力から試してみることにしましょう。