日本初、客席が360°回転する劇場として、話題を集めているIHIステージアラウンド東京。2017年3月のオープンから、劇団☆新感線『髑髏城の七人』の5シーズンを経て、現在はONWARD presents 新感線☆RS『メタルマクベス』Prodeced by TBSが上演中だ。

2006年に劇団☆新感線と宮藤官九郎が初めてタッグを組んだ同作は、シェイクスピア『マクベス』の舞台を2218年の廃退した近未来と、空前のバンドブームに沸いた1980年代の日本を二重の構造に置き換え、ロックバンドが劇中で生演奏するなどのど迫力舞台に。disc1は橋本さとし&濱田めぐみ、disc2は尾上松也&大原櫻子によって上演され、最後のdisc3は浦井健治&長澤まさみが、ランダムスター夫妻役を演じる。公演は11月9日〜12月31日で、12月6日の昼・夜公演は全国の映画館・84館でのライブビューイングも実施する。

今回、同劇団に初参加となる高杉真宙が演じるのは、ランダムスターが仕えるESP国の王子であるレスポールJr.。王子らしい気品と爽やかさ、そして溌剌としたダンスや歌、アクションも見どころとなる役どころだ。今回は高杉に、初参加となる新感線への印象や、作品に対する思いについてインタビューした。

  • 高杉真宙 撮影:泉山美代子

歌とダンスを必死に練習

――今回、劇団☆新感線に初参加ということで、どういう印象でしたか?

自分が参加していることが、想像できなかったです。今までもプライベートで観させていただいていたので、ちょっとしたファンが舞台に出る感覚に近いです。この舞台は円形の客席を囲っているし本当に広いので、稽古も予想ができませんでした。実際に稽古に入ると、「あの、いのうえさんが演出をつけてくださってる」ということが、まず嬉しい気持ちでした。あと、ご迷惑をおかけしてしまうこともあると思うんですが、僕は「もう1回」と言われるのが好きなんです。何回も演じたいので。

いのうえさんには、「ここは、階段に足を乗せないと不安定に見えないから」という指示をいただいたりして、思いと動きを考えるのが、難しくも、面白くもあります。自分がレスポールJr.として舞台上に立った時に、自然と動きたくなるような演出をつけていただいているので、十分に理解していきたいなと思います。

――レスポールJr.って、歌って踊って…という場面が多いと思うんです。disc1の松下優也さん、disc2の原嘉孝さん(宇宙Six/ジャニーズJr.)は経験も多いと思うんですが、高杉さんはどういう感じになるのかな、と気になります。

僕自身、不安はあります(笑)。本当にお二人の演技と歌とダンスが、素敵なんですよ。disc1は映像で見せていただいたんですが、先ほども映像を観ていて、「ここってどんな風にしてるんだろう?」と食いついてしまいました。disc2はゲネプロで観せていただいた原さんのレスポールJr.が華やかで、自分がやる役のはずなんですけど、こんな風に自分ができる想像ができなかったので、実力を追いつかせなければと、必死に練習しています。ただ演出はまた変わるので、いのうえさんが僕自身を見て、レスポールJr.の色をつけてくださっているという実感はあります。また違うキャラクターになっていると思います。

――ちなみに、1980年代のシーンで演じる「元きよし」はどうですか。

今までにない元きよしらしくて、僕はレスポールJr.の場面じゃなくて、元きよしで喉が枯れました(笑)。

――元きよしで!? 何が起こるのか…今回、稽古の中でこんな人のこんな一面が印象的だった、という部分はありましたか?

初めましての方が多かったんです。柳下(大)さんも稽古場でめちゃくちゃ静かで最初はなかなかお話しする機会がありませんでした。本当に静かで……すごい静かで(笑)。

――そんなに(笑)。

でも一緒にイベントに出る機会もあり、ちょっとずつ打ち解けて、お話しするようになりました。本当に面白い方で、面倒も見てくださって、素敵なお兄さんです。