ウィメンズヘルスクリニック東京とアンファーはこのほど、「女性の薄毛と頭皮の血流に関する最新研究 プレス発表会」を都内で共同開催した。同クリニックと同社の共同研究により、頭皮の血流の低下が女性の薄毛を招く一因であることを示すデータが国内では初めて得られたという。

  • ウィメンズヘルスクリニック東京とアンファーが共同でプレスセミナーを実施

    ウィメンズヘルスクリニック東京とアンファーが共同でプレスセミナーを実施

女性ホルモンと血流の低下が薄毛の主要因

研究の報告は、ウィメンズヘルスクリニック東京の浜中聡子院長より行われた。「パサつき」「うねり」「白髪」「細毛」など、女性の髪の悩みは多岐にわたるが、中でも薄毛に悩む女性は年々増加しており、10年間で約8倍にもなっているという。

高齢化などの影響もあるが、時代の流れから外見を気にする女性が増えていることが薄毛トラブルに悩む女性増加の背景にあるのではないかとのこと。女性の薄毛を招く原因は複数あるが、女性ホルモンと血流の低下が大きな要因になると浜中院長は指摘する。

  • ウィメンズヘルスクリニック東京の浜中聡子院長

    ウィメンズヘルスクリニック東京の浜中聡子院長

「女性ホルモンの分泌量のピークは、残念ながら20代に来てしまいます。ハリ、コシなどの『髪の毛の質』に関しては、恵まれている人でも維持できて30代の後半までで、40代以降は下り坂になって白髪や薄毛、抜け毛が顕在化してきます。そして、人間の体で年齢を重ねて血流が良くなる場所はありません。頭皮も例外ではなく、毛根に栄養が行きわたらなくなります」

  • 薄毛に悩む女性はこの10年で約8倍に増加しており、原因もさまざまだ
  • 薄毛に悩む女性はこの10年で約8倍に増加しており、原因もさまざまだ
  • 薄毛に悩む女性はこの10年で約8倍に増加しており、原因もさまざまだ
  • 薄毛に悩む女性はこの10年で約8倍に増加しており、原因もさまざまだ

女性型脱毛症にはホルモンの影響によって起こる「びまん性脱毛症」や、女性における男性型脱毛症「FAGA」、自己免疫疾患の一つと考えられている「円形脱毛症」などが挙げられる。

円形脱毛症は保険診療が可能だが、女性の頭髪の悩みは保険診療外となってしまう症例が多いというのが現状。そのため、何かしら対策できるのであれば普段から実践したいと考える女性が多くなるのも、自然なことだろう。

頭皮が硬く乾燥することで薄毛に

浜中院長は日々の診療の中で、血流の問題が薄毛に影響を与えていることは実感していたものの、それを実証する臨床研究はこれまで日本にはなかった。そこで今回、FPHL(女性型脱毛症)と診断された25名と毛髪が十分な女性25名を対象に研究を実施。スカルプエコー装置で頭頂部皮膚の厚さおよび浅側頭動脈と頭頂部細動脈の血流を調べた結果、FPHLの女性のほうが血流が低いことがわかり、女性の薄毛と血流の関連性が証明された。

「薄毛に悩む女性は、頭頂部が硬く突っ張るように感じている人が多いです。頭皮が『凝る』あるいは『引っ張られている』という違和感を覚えている方も多いです。実際に頭皮は加齢によって厚みが低下し硬くなり、血流に関しても落ちていることが明らかになりました。なおかつ、頭皮が薄い人は血流が不均一になっており、毛根に行きわたってないことが画像でも確認されました」

  • 薄毛の人は頭皮が薄くなっており、血流も少なくなっている
  • 薄毛の人は頭皮が薄くなっており、血流も少なくなっている
  • 頭皮厚(左)と頭頂部の細動脈血流は2つのグループで有意に差が出ている

  • 薄毛の人は頭皮が薄くなっており、血流も少なくなっている
  • 薄毛の人は頭皮が薄くなっており、血流も少なくなっている
  • 薄毛の人は頭皮が薄くなっており、血流も少なくなっている

加齢に伴う血流低下が招く薄毛に抗うのは難しいが、血流を改善させるためにできることはいくつかある。具体的には「有酸素運動」と「禁煙」で、体によいとされていることは頭皮や髪にもよいということだ。また、生活改善指導をはじめ、病院でできるアプローチには「外用薬」「サプリメント」「内服薬」「点滴」「HRT(ホルモン補充療法)」「PRP(多血小板血漿)治療」などがある。