DMG森精機は11月1日~6日にかけて、東京ビッグサイトにて開催されている「第29回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2018)」において、「DMG MORIのデジタルファクトリー」をテーマに、東8ホールをすべて1社が独占する形で展示を行なっている。

その広さゆえに、出展機械も22台と非常に多く、日本初披露となる加工機も複数台出展している。

また、参考出品として、自律走行ロボット「RV3」と立体マシニングセンタ「CMX 800 V」を組み合わせた作業の省力化デモがブース中央付近で実施されており、多くの来場者の注目を集めていた。

  • 自律走行型ロボット「RV3」とCMX 800 Vを用いたデモの様子

    自律走行型ロボット「RV3」とCMX 800 Vを用いたデモの様子

RV3は、工場内の物流の自動化や無人環境下での素材供給などを実現することを目指して開発されている自律走行ロボットで、汎用のAGVとロボットアームに、自社開発の認識アルゴリズムなどを組み合わせることで実現しようとしている。具体的には、ピックアップや治具の変更などに必要な画像データは、3Dビジョンセンサで位置決め精度0.5mmで実現。AGVには非接触給電機能を搭載し、作業中の充電などにより24時間の稼動を可能とする。

  • ロボットアームの先端についているのが3Dビジョンセンサ
  • ロボットアームの先端についているのが3Dビジョンセンサ
  • ロボットアームの先端についているのが3Dビジョンセンサ。今回の把持部分は電動ハンドとなっている

また、レーザーセンサによる障害物や人との距離感知のほか、CMX 800 Vとは光通信を用いることで、正確な角度での接続を可能としている。実際には、Wi-Fiでの通信も技術的には可能とのことであるが、正面から近づくことで、事故の防止にもつながることから、現在はこの方法を採用しているとのことであった。

このほか、同社ブースでは、さまざまな加工機が展示されているが、注目のアディティブマニュファクチャリング分野としては、パウダーノズル方式を採用した「LASERTEC 65 3D hybrid」とパウダーベッド方式を採用した 「LASERTEC 30 SLM 2nd Generation」を出展しているほか、トポロジ最適化によって、剛性などを維持しながら、フレームの肉抜きが施された加工機様の稼動デモなども行われており、多くの人の興味関心を集めていた。

  • トポロジ最適化のデモの様子
  • トポロジ最適化のデモの様子
  • トポロジ最適化のデモの様子。従来の加工機のコンポーネントからは想像ができない構造をしている