日立システムズは5日、グローウィン・パートナーズと連携し、ソフトウェアロボットを利用した業務の自動化手法であるRPA(Robotic Process Automation)を活用して企業の経理業務を効率化する「経理自動運用シナリオ」の提供を開始したことを発表した。

  • 「経理自動運用シナリオ」の業務フローの例(RPAを活用)

    「経理自動運用シナリオ」の業務フローの例(RPAを活用)

同製品は、会計システム「SuperStream-NX 統合会計」を導入している企業に向けた製品で、会計システムに販売管理システムから売上データを取り込む業務や取引先ごとに管理している前渡金の残高明細作成業務など、自動化により効率化できると想定される6業務を対象に、会計システム「SuperStream-NX 統合会計」に関連する準備作業や後処理の工程も含めて業務を自動化するもの。

想定した業務内容をRPAツールであらかじめ作りこんであるため、簡単な調整をするだけですぐに利用開始できる。

また、財務経理部門向けのコンサルティングサービスを、グローウィン・パートナーズの公認会計士が内部統制の観点も含めて作成しているため、単に自動化するのではなく、整合性や正確性、不正検知などの内部統制の視点を考慮し、不正やミスを防ぐ仕組みが盛り込まれている。

たとえば、為替レート登録シナリオでは、登録した為替レートのログを管理する機能があるほか、前渡金の残高管理シナリオでは、前渡金の取崩結果が会計システムの残高と一致しているかを確認する仕組みが用意されるなど、ITに関わる内部統制で実務上考慮すべきポイントとなる「ログ管理」や「入力情報の正確性」等を管理する設定が行われている。

これらにより、作業の属人化や入力ミスを減らし、業務効率化を実現する。サービス化前に実施した実証実験では、導入前と比較して作業時間が90%以上も削減された事例もあるとのことだ。

  • 従来のRPA化との違い

    従来のRPA化との違い

価格は、シナリオ利用料(3シナリオの場合)として年間60万円~(税別)。また、別途初期導入費用、RPAツール利用料(年額)が必要となる。

なお、両社は今後、企業の経理・財務部門向けの「経理自動運用シナリオ」を拡販し、2020年度末までに累計300社への販売を目指すとしている。