日本ヒューレット・パッカード(HPE)は11月2日、ハイブリッドクラウド向けのデータ保護および、コピーデータ管理向けにデータ保護製品の「HPE StoreOnce」を強化したと発表した。
同社ではStoreOnceの強化に合わせ、コピーデータ管理ソフトウェアの新バージョン「HPE Recovery Manager Central (RMC) 6.0」も発表し、「HPE 3PAR」「HPE Nimble Storage 」にバンドルして12月から無償で提供を予定。
日本ヒューレット・パッカード ハイブリッドIT事業統括 ハイブリッドIT製品統括本部 カテゴリーマネージャーの諏訪英一郎氏は、強化されたStoreOnceについて「アプライアンス、ソフトウェア両方を強化した。『運用工数の削減』『フラッシュストレージからクラウドまでデータ保護の実現による高速化とコスト削減』『HPE GreenLakeによる従量課金制』の3点となる」と説明。
同製品はクラウド向けに構築やGUIの刷新により、オペレーション時間を最大95%削減するほか、Veritas、Veeam Softwareに加え、新たにCommvaultとの連携を可能とし、特にクラウドとの連携強化が肝だという。
同氏は「ミッションクリティカルなデータはプライベートクラウドに置くが、パブリッククラウドに置きたいデータはバックアップであり、まずは最初に取り組みたいと多くの企業が求めている。しかし、バックアップのクラウド活用が進んでいるかと言えば、積極的ではない。これは、なんでもかんでもクラウドに置いて本当にバックアップをオンプレミスに戻せるのかということが課題となっているからだ。StoreOnceは課題を解決することが可能だ」と、強調した。
具体的には同製品と、クラウドに直接データをレプリケーションできる「HPE Cloud Bank Storage」を実装し、Amzon Web Services(AWS)やMicrosoft Azureなどのパブリッククラウド、オブジェクトストレージのScalityにデータを格納することができるという。
また、同社のストレージ製品である3PARからRMCを用いてStoreOnceに直接バックアップをとり、StoreOnceからCloud Bank Storageでクラウドにバックアップする、つまりフラッシュストレージからバックアップストレージ、クラウドまでのデータを保護する。これまで、3PARとStoreOnce間はバックアップできたが、今回新たにNimble Storageとの連携も可能としている。
日本ヒューレット・パッカード ハイブリッドIT事業統括 データプロテクション統括本部 技術本部 技術部の小沼建人氏はCloud Bank Storageについて「RMCでStoreOnceに格納したバックアップは20分の1に重複排除されるが、Cloud Bank StorageはStoreOnce(オンプレミス)から重複排除された状態でクラウドに置くことが可能だ」と説く。
さらに、従量課金モデル「HPE GreenLake」のバックアップ版として「HPE GreenLake Backup」を用意し、CommvaultとVeeamから選択でき、構築・運用も含めて月額で利用を可能としている。
日本ヒューレット・パッカード ハイブリッドIT事業統括 ハイブリッドIT製品統括本部 統括本部長の本田昌和氏は「今後、データは通貨になり、デジタル変革を推進できる一方で保護され安全であること、すぐに使用可能であることが必須だ。しかし、データは爆発的に増加し、セカンダリデータのコピーがスプロール化するなど、いかに統合管理するかが重要となる。われわれはStoreOnceで顧客の課題解決に向けて支援する」との認識を示していた。
価格は、いずれも税別でStoreOnceが240万円~、仮想アプライアンスのStoreOnce VSA(Virtual Storage Appliance)が40万円~、HPE Cloud Bank Storageが5万円~、HPE Green Lake Backupが個別見積もり。