バンダイスピリッツのハイターゲット向けフィギュア商品の展示・販売イベント「TAMASHII NATION 2018 -青の衝撃-」が、10月26日から28日まで開催され、大勢のファンがかけつけ大盛況となった。

期間中、新商品にゆかりのある俳優や、企画・開発に携わったクリエイターたちが登壇し、キャラクターへの熱き思いを語る「SPECIAL STAGE」も催された。ここでは、28日に行なわれた「S.H.Figuarts(真骨彫製法) 仮面ライダーキバ発売記念ステージ」のもようをお届けしたい。

ステージには『仮面ライダーキバ』(2008年)で天才バイオリニスト・紅音也を演じ、さらに『仮面ライダービルド』(2017年)では仮面ライダーグリス/猿渡一海役で好評を博した俳優・武田航平と、バンダイスピリッツ コレクターズ事業部の寺野彰氏、岡本圭介氏の3名が登壇。武田は登場開始そうそう、客席に向かって「全員同時に愛してやる!」と紅音也の名セリフを投げかけて挨拶し、集まった大勢のファンを喜ばせた。

現在、平成仮面ライダーシリーズ20作目となる記念作品『仮面ライダージオウ』(2018年)が好評放送中であるが、この『ジオウ』にまつわる記念企画として、同社では「HEISEI RIDERS RISING PROJECT」と銘打ち、いくつもの商品販売展開が考えられているという。

その第1弾は、過去に発売された平成仮面ライダーシリーズの「S.H.Figuarts」を「ライドウォッチ型台座」付きで再販する「20 Kamen Rider Kicks Ver.」の発売。最初のラインナップとして、「仮面ライダービルド ラビットタンクフォーム」「仮面ライダーエグゼイド アクションゲーマー レベル2」「仮面ライダードライブ タイプスピード」「仮面ライダー鎧武 オレンジアームズ」「仮面ライダー電王 ソードフォーム」「仮面ライダーブレイド」「仮面ライダーファイズ」「仮面ライダー龍騎」の8ライダーがラインナップされ、2018年10月以降、順次発売が決定している。

第2弾は、現在放送中の『仮面ライダージオウ』の商品展開。2019年2月に「S.H.Figuarts仮面ライダージオウ」、翌3月には「S.H.Figuarts仮面ライダーゲイツ」が発売されることが決定した。

そして第3弾として発表されたのが、「S.H.Figuarts真骨彫製法 仮面ライダーキバ キバフォーム」(2019年4月発売予定)である。真骨彫製法とは、対象となるヒーローの表面的な部分ではなく「骨格」や「筋肉」の段階から造形を行い、ヒーローが本来持っている存在感と、フィギュアとしての自然な可動の両立を追求した、S.H.Figuartsの上位規格。『仮面ライダーキバ』が放送されていた2008年は、「装着変身シリーズ(S.H.Figuartsの前身)」で仮面ライダーキバが発売されていたこともあり、強化フォームの「仮面ライダーキバ エンペラーフォーム」だけがS.H.Figuartsとして商品化されていた。その後も、歴代ライダーがS.H.Figuarts化されていく中で、キバフォームだけはなかなか発売される機会が訪れなかっただけに、今回の「真骨彫製法」での精密ディテール、究極的なプロポーションでの商品化は、まさにファンが待ちに待った好機だといえる。

ステージに運ばれた「S.H.Figuarts(真骨彫製法) 仮面ライダーキバ キバフォーム」を目の当たりにした武田は、やや興奮気味に「当時、仮面ライダーキバの"本物"を間近で見ていた者としては、このフィギュアは本物と何ら遜色がない。小さいのに本物の迫力がある」と、緻密な再現度を大絶賛。実際に商品を手にしながら、「高岩(成二/スーツアクター)さんじゃないかと思えるくらいの完成度!」と、その優れたプロポーションにも触れ、満面の笑みを見せていた。

劇中でのアクションポーズを自在に決められるのが、S.H.Figuartsの醍醐味である。岡本氏によれば、キバの「右足を高くはねあげる」というキック直前のポーズをはじめ、劇中でおなじみのさまざまなアクションポーズを忠実再現することができるという。また、ベルトのバックル部分に位置する「キバットバットIII世」が分離する上に、両翼や口が動くという精密極まりない造形に、武田が改めて感心する場面もあった。

「TAMASHII NATION」会場では、キバのオプションパーツ(見本)として、本編ドラマ中で印象的なアイテムとなった「バイオリン」と「椅子」が展示されていたが、これについて寺野氏は、「バイオリンと椅子はキバになくてはならない存在。キバを出すからには周辺のアイテムもひっくるめてみなさまに満足してもらいたいので、随時情報のほうをお待ちください」と力強くコメントし、今後の商品展開に期待を持たせた。

続いてステージ上には、『仮面ライダーキバ』から仮面ライダーイクサ、仮面ライダーダークキバ、『仮面ライダービルド』の仮面ライダーグリスの「S.H.Figuarts」商品が並べられ、キバと合わせて武田がテレビ劇中で変身した4体のライダーが勢ぞろい。武田は興奮気味に「これだけたくさんの仮面ライダーに変身した人もいないんじゃないでしょうか。自分の歴史をフィギュアで振り返ることができる」とコメントした。

キバの商品発表に続いて、『仮面ライダービルド』の商品情報を紹介するコーナーに突入。このタイミングでステージに現れたサプライズゲスト、それは"北都三羽ガラス(赤羽、青羽、黄羽)"としてカシラこと猿渡一海と行動を共にしていた黄羽役・吉村卓也だった。明るく「カシラ~!」と呼びかけながら登場した吉村は、武田とのひさびさの再会を喜びながらお土産として劇中での印象的なアイテム「三羽ガラスのドッグタグ(認識票)」を手渡していた。

吉村は、『ビルド』に黄羽役で出演するにあたって「武田くんが以前出ていたからということで『キバ』を観てみたんですけれど、カシラと音也のイメージがまったく違いすぎたので、2話で観るのをやめました(笑)」と、混乱を避けるためあえて『キバ』の視聴を止めたことを明かしつつ「今度、ぜんぶ観ます!」とにこやかに語った。さらに「衣装合わせのときに初めてお会いした武田くんが、三羽ガラスの衣装を見てひとこと『ダサいね』と(笑)。その瞬間、カシラと三羽ガラスの関係性が生まれました。武田くんが初めからカシラのテンションで来てくれたので、僕らは演技をしていても普段と同じ感覚でいられた。芝居がやりやすかった」と、4人のチームワークが抜群だったことを改めて振り返っていた。

三羽ガラスはそれぞれスマッシュ(怪人)に変身し、ひとりずつ壮絶に散っていくのだが、一海はいつまでも彼らとの絆を心の支えとして、過酷な戦いの道を歩む。そんな一海が最後の戦いにおいて、三羽ガラスとの思いを込めて変身した「仮面ライダーグリスブリザード」は、わずか1度だけの登場であるにも関わらず、強烈な存在感をファンに与えた。今回、ファンの強い要望に応えるかたちで「S.H.Figuarts 仮面ライダーグリスブリザード」が「魂ウェブ商店」の受注商品として2019年4月にリリースされることが決まり、客席をドッと沸かせた。武田は商品写真を見て「カッ、カッコいいっすね! カッコいいって何回も言っちゃうね。俺も早く欲しい!」とテンション上げ気味に感想を語った。

さらに、カシラと三羽ガラスの人気を受けて「フィギュアーツZERO」というブランドにて「キャッスルハードスマッシュ・スタッグハードスマッシュ・オウルハードスマッシュ」の商品化が決定したとの情報が明かされた。吉村は自分の変身キャラクターの商品化に歓喜・興奮しながら「むちゃくちゃうれしいですね! みなさんが三羽ガラスを愛してくれたおかげと、やっぱりカシラがこれだけの人気になったからですね!」と言って武田と顔を見合わせつつ「ぜひこれを買っていただいて、カシラ(グリス)と一緒に飾ってほしい」と笑顔で客席のファンたちに呼びかけていた。

「S.H.Figuarts(真骨彫製法) 仮面ライダーキバ キバフォーム」は、2019年4月発売予定。メーカー希望小売価格7560円(税込)。11月1日、ネットショップなどで予約受付をスタートする。