NTT東日本茨城支店は、2018年7月から茨城県小美玉市の中村養鶏場に圃場センシングソリューション「eセンシング For アグリ」とクラウドサービス「ギガらくWi-Fi IoTサポートオプション」を設置し、温度管理データとモニタリング動画の自動取得・遠隔確認を可能にすることで、人的稼動の削減と生産性の向上を実現したと発表した。

「e センシング For アグリ」は、電源不要のセンサーと無線通信機器を対象となる圃場に設置することで、「温度」・「湿度」・「照度」などのセンシングデータを自動収集し、スマートフォンアプリやPC等を用いて圃場環境を“見える化”するソリューション。

養鶏事業では、温度管理により鶏の育成状況や製品品質が大きく左右されるため、養鶏場内の温度を24時間体制で一定の温度以下にする必要があるという。

中村養鶏場では養鶏場から事務所が離れているため、温度や空調機器に故障が無いか、都度現地へ行く稼動が発生していたほか、室温が一定温度以上になった際はサイレン音でアラートが鳴り、特に夜間の場合は、近隣住民への騒音となることも課題になっていたという。さらに、養鶏場入り口の防犯設備に不安があり、鶏や卵の盗難の懸念があった。

同養鶏場では「e センシング For アグリ」・ 3棟ある養鶏場にそれぞれ2個所に温度センサーおよび遠隔通信可能なLPWA送信機を、また遠方にある事務所に LPWA 受信機を設置し、クラウドストレージサービス「フレッツ・あずけ~る」に温度データを自動収集。これによりクラウド上での温度データ管理および遠隔地からの養鶏場内の温度確認が可能となった。

  • サービスイメージ

養鶏場内の温度が35度以上なった際には、スマートフォンへメールでアラートが送信される。また、ネットワークカメラを敷地出入口付近と養鶏場付近の2個所に設置し、事務所でリアルタイムにモニタリングできようにした。

今後NTT東日本では、これらの養鶏事業者への IoT活用の展開に取り組むとともに、鶏卵生産量全国3位の千葉県の養鶏事業者や、養豚などその他畜産業への展開を検討していくという。