思春期だけでなく20代以降でも男女問わずにできやすい顎のニキビ。「大人ニキビ」とも呼ばれるようです。ホルモンの影響を受けて生理前にできやすくなったり、寝不足や疲れなどのストレスが原因になることも。

◆顎のニキビの主な原因・傾向……「大人ニキビ」と呼ばれる理由は?
ニキビは全般的に思春期に最も多くできやすいものですが、顎のニキビは20代以降でも男女問わずに多く見られます。「大人ニキビ」と呼ばれることがあるのもそのためでしょう。

顎は、他の部位と比べてホルモンの影響を受けやすい箇所でもあるため、顎ニキビの原因にはホルモンの影響も挙げられます。女性の場合、生理前に顎のニキビが悪化することがあるのはそのためです。その他に考えられる原因は、毛穴の詰まりや皮脂が溜まったことによる炎症や、アクネ菌の増殖です。寝不足や疲れが原因になることもありますので、規則正しい生活を心がけましょう。

チーズや豆類などの取りすぎや、間違ったスキンケアが原因になることがあるかを心配される方もいるようですが、実際に糖質の高い食事や乳製品が原因になることがあります。また、ニキビを自分で潰したり、洗顔のときにゴシゴシ洗ったり、つい気になってニキビを手で触ってしまったりといった行為も、ニキビの悪化要因になりますので注意が必要です。

◆顎ニキビに関する悩み・対処法……痛み・治らない・しこりがある等
「痛い顎ニキビ」と「痛くない顎ニキビ」の違い・炎症や膿の有無
白いポツポツとしたニキビは、ほとんど痛みが出ません。炎症を起こして赤くなった場合やさらに炎症がひどくなり黄色く膿がたまってしまった場合、ぼこっとしたしこりになった場合には、強い痛みが出ます。

■何度もできては治るのを繰り返す

塗り薬、飲み薬を使えば一度治るけれど繰り返す、という方はよくいます。ニキビが一度治療薬で治っても、ニキビが出やすい体質は持続するからです。予防でニキビ治療の塗り薬を使う、ニキビに効く成分の入った保湿剤で予防する、といった工夫が必要です。

■顎のニキビにしこりがある
しこりが大きい場合、市販薬での対応は難しいです。皮膚科で有効性の高い処方薬の飲み薬や塗り薬を処方してもらいましょう。また、しこりはニキビ跡の瘢痕やケロイドの場合、 粉瘤などほかのできものの場合がありますので、皮膚科専門医に診てもらいましょう。

■顎のニキビが大きくなってしまった
顎のニキビが炎症を起こし、毛穴が詰まって膿がたまると、大きくぼこっとしたニキビになります。痛みも強く、1カ月間腫れたままになってしまうようなことも珍しくありません。アクネ菌の増殖も原因の1つですが、毛穴のつまり、皮脂の炎症、ホルモンの影響などが複合的に原因になっています。

大きなニキビをくり返すとニキビ跡の瘢痕、ケロイドになりやすいので注意しましょう。しこりが何カ月も続く場合や大型の場合はニキビではなく、粉瘤などほかのできもののこともあります。その場合は皮膚科を受診して切除も検討しましょう。

◆顎のニキビを自分で治す方法……市販薬・漢方・潰して膿を出す等の効果
市販薬にも、ある程度ニキビに効果のある成分ものはありますので、試してみてもよいかもしれません。ただ、処方薬の塗り薬や飲み薬の方が圧倒的に効果は高いので、複数ポツポツがある場合には市販薬を使うよりも最初から皮膚科を受診することをおすすめします。

漢方薬にもニキビに効果があるとされているものがあります。こちらも他の市販薬と同様、保険適応がある処方薬もありますので、漢方薬を試したい人は、かかりつけの皮膚科医に相談してみるのがよいでしょう。

ニキビを潰して自分で膿を出して早く治そうとする人もいるようですが、自分でニキビを潰したり、頻回にニキビを手で触ったりすると、逆に炎症を起こして傷になり、ニキビ跡になってしまうことが多いです。無理に潰さないようにしましょう。

◆皮膚科で受けられる顎のニキビの治療法・ニキビ跡を消す方法
顎のニキビに対しても皮膚科で塗り薬、飲み薬が保険適応で処方できます。2週間程度で効果が出て、目に見えてニキビのポツポツが減り、さらに続ければ2~3カ月でさらに効果があがります。皮膚科では複数の塗り薬、飲み薬を処方できるので、組み合わせてそれぞれの患者さんに合わせた治療を行います。

ニキビは早く治せば治すほど跡が残るリスクを減らすことができます。治療せずに放置することがニキビ跡が残りやすくなる最大のリスクですので、早めに皮膚科を受診してしっかり治療してもらいましょう。

もしニキビ跡が残ってしまった場合、赤みや黒み、凹みや盛り上がりが起こります。赤みにはレーザー、黒みには塗り薬や飲み薬、レーザー、凹みにはマイクロニードリングやフラクショナルレーザー、盛り上がりにはステロイドの注射と、それぞれに応じた治療が効果的です。ニキビ治療をしっかり行っている皮膚科にご相談ください。

文=野田 真史(皮膚科医)