既報の通り、Huawei(ファーウェイ)は10月16日(ロンドン時間)、英国ロンドンで発表会を開催し、スマートフォンの新製品「HUAWEI Mate 20」シリーズを発表しました。

Mate 20、Mate 20 Pro、Mate 20 RS、Mate 20 Xの4製品が登場。価格は、Mate 20が799ユーロから、Mate 20 Proは1,049ユーロ、Mate 20 Xが899ユーロ、Mate 20 RSが1,695ユーロからです。発売は10月16日からで、英国、フランス、イタリア、アラブ首長国連邦が当初の発売国となり、現時点では日本での発売は発表されていません。

  • ファーウェイ「Mate 20」シリーズ発表会

    Mate 20シリーズを発表したRichard Yu CEO

Huawei Consumer Business GroupのRichard Yu CEOは、まずMateシリーズの歴史から振り返りました。初の6.1インチと大型ディスプレイ搭載だったMate 1(2013年)から始まって、世界で初めてワンタップで画面オフからロック解除できたMate 7(2014年)、世界で初めて22.5ワットのスーパーチャージ機能を搭載したMate 9(2016年)、世界初のAIチップセットを搭載したMate 10(2016年)と、やや地味な世界初を紹介しつつ、Mateシリーズをアピール。

そして今回のMate 20シリーズは、「最もパワフルで最もインテリジェントなMate」(Yu氏)だとしています。Yu氏は「美しく精巧なデザイン」「究極のパフォーマンス」「驚くべき写真性能」「インテリジェント」という4つを特徴として挙げます。

デザイン性では、「象徴的な4点のデザイン」として、四角形の範囲にカメラとフラッシュで4つの円が並ぶユニークな特デザインを採用しました。「自動車のヘッドライトのようなデザイン」(Yu氏)。カメラの位置や側面のデザインはシンメトリーになっており、Mate 20 Proは表裏ともにエッジがカーブしたことで「完璧な流線形」というデザインになっています。

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    自動車のヘッドライトのような4つのポイントを生かしたデザイン

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    シンメトリーなデザインになっています

Mate 20は、6.53インチFHD+(2,244×1,080) RGBWディスプレイを搭載。18.7:9のアスペクト比で、色域はDCI-P3に対応したHDRディスプレイです。明るさは820ニットと高輝度ながら低消費電力だとしています。

Mate 20 Proは、6.39インチ2K+(3,120×1,440)のOLEDを採用。側面がカーブしており、19.5:9という縦長のアスペクト比を採用。色域はDCI-P3をサポートしたHDR対応ディスプレイです。

  • ファーウェイ「Mate 20」シリーズ発表会
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  • Mate 20とMate 20 Proのディスプレイ

本体サイズに対して画面の占める割合は、Mate 20 Proが88.07%、Mate 20が86.90%となり、iPhone Xs Maxの83.67%、iPhone XRの78.12%より広い点をYu氏はアピールします。これはディスプレイのベゼルが一段と細くなっているのが影響しており、iPhone Xs Maxの4.0mmに対して、半分ほどの2.1mm、2.6mmという細さです。

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    他社と比べて大幅な画面占有率の高さ

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    細いベゼルを実現しました。iPhoneと同様のセンサー類を詰め込みつつ、ノッチのサイズも削減

Mate 20 Proは、ディスプレイに埋め込んだ指紋センサーを搭載。10段階のDynamic Pressure Sensing(DPS)技術を採用したとしており、指紋解除速度は30%高速化したそうです。

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    画面の中ほど、やや下の方に指紋センサーが埋め込まれています

今回発表の全モデル、デュアルSIM対応です。SIMトレイの裏表に1枚ずつSIMを装着するデザイン。一方はメモリカードとの排他になりますが、そのメモリカードは新規格のNano Memory Cardを採用しています。一般的なmicroSDカードより45%小型化したとしていますが、ファーウェイの独自規格で汎用性はありません。

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  • 全機種デュアルSIMに対応し、独自のNano Memory Cardを採用

Mate 20シリーズは、7nmプロセスルールで製造された最新のSoC、Kirin 980を採用した最初のスマートフォンシリーズ。パフォーマンスの高さも大きなアピールポイントになっています。

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    Kirin 980は最新のCPU、GPU、NPUを搭載。AI機能をおもに担当するNPUはデュアルになりました

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    パフォーマンスの向上だけでなくバッテリー効率も改善しています

CPUは75%、GPUは46%、デュアルとなったNPU(Neural Network Processing Unit)は226%もの性能向上を果たしています。その上、電力効率はCPUで58%、GPUで178%、NPUで182%の向上だとしています。

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    各種のレスポンスも向上しています

バッテリーは、Mate 20 Proが4,200mAh、Mate 20が4,000mAhで、しかも10V4Aという40Wのスーパーチャージ機能を搭載。30秒で1%、30分で70%の充電が可能としています。ちょっと怖いほど。

さらに15Wのワイヤレス充電機能も搭載です。Qiに準拠しており、高速なワイヤレス充電に加え、Mate 20とMate 20 ProからほかのQi対応機器を充電することもできます。iPhoneも充電できる、という紹介に会場も沸きました。

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    他社よりも長時間のバッテリー駆動が可能

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    とうとう40Wに

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  • 超高速充電に対応。他社と比べても高速で、TUV認定による安全性も確保したとしています

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    Qi対応のワイヤレス充電をサポート

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    15W対応なので、iPhone Xs Maxのケーブル充電より高速だとしています

  • ファーウェイ「Mate 20」シリーズ発表会
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  • もっと会場を沸かせたのが、このMate 20・Mate 20 ProからほかのQi対応端末を充電できる機能です。iPhoneですら充電できるというのが特徴です

モデムも性能向上しており、Cat.21に対応して下り最大1.4Gbpsに対応。無線LANも1,733Mbpsの通信をサポートしているそうです。GPSはL1帯とL5帯の信号に対応していて、iPhoneやGalaxyのようなL1帯のみの対応と比べて、10倍も高精度といいます。さらに機械学習を活用することで、都市部やトンネル内でのGPS精度も向上させているそうです。

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    4×4 MIMOや5CC CAなどに対応して、最大1.4Gbpsの下り速度を実現

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    高いアンテナ性能も誇っています

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    無線LANも高速化しています

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    GPSは2種類の周波数帯をサポートし、さらに機械学習によって精度も高めたといいます

  • ファーウェイ「Mate 20」シリーズ発表会
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  • 3台のスマートフォンを装着して香港の町をランニングした結果、より精度の高い位置記録ができたそうです