ここ最近、大きな地震が頻繁に起きていることで、損害保険会社や共済などで扱っている地震保険(共済)が注目されるようになりました。損害保険会社の地震保険と共済の地震保障とは、それぞれどのような仕組みなのでしょうか?

◆2017年時点の地震保険の加入率は31.2%、2002年時点と比べて2倍に
ここ最近、大きな地震が頻繁に起きていることで、地震災害への意識が高まりつつあります。それにより、損害保険会社や共済などで扱っている地震保険(共済)などが、注目されるようになりました。『損害保険料率算出機構』の統計によると、2017年時点の地震保険の付帯率は31.2%です。2002年時点の16.4%と比べると、付帯率は約2倍となっています。そんな地震保険(共済)は、いったいどのような仕組みなのでしょうか?

◆地震保険はどんな保険?
地震保険は、損害保険会社などの保険会社が扱っている保険商品です。実は、民間の保険会社が単独で運営しているわけではなく、政府と共同で運営されている保険なのです。いざ大きな地震が起こった時は、巨額の保険金支払いが想定されます。その際、保険金支払いがスムーズに行われるように、政府がバックアップすることを法律で定めているからです。つまり、地震保険は、公共性の高い保険。どこの保険会社で加入したとしても、補償内容や保険料は同じとなっています。

◆火災保険とセットで加入する
また、地震保険に加入するには、必ず主契約である火災保険とセットで契約する必要があり、単独では入れません。さらに、地震保険が付けられるのは、一戸建てやマンションなどの「居住用の建物」と「生活用の動産(家財)」に限られているという特徴があります。

なお、地震に関する被害は、火災保険に加入していただけでは補償されず(※)、地震保険に入っていなければ補償されないことは覚えておきましょう。

※地震の火災による被害については、一定の範囲内で保険金支払いのある商品もあります。

◆どんな時に保険金が支払われる?
地震保険の保険金は、地震による火災や損壊だけではなく、噴火や津波などで、建物もしくは家財に生じた損害に対しても支払われます。どんな損害に対しても保険金が支払われるわけではなく、「全損」「大半損」「小半損」「一部損」のいずれかに判定された場合に保険金が支払われるようになっています。そのため「一部損」に至らなかった損害は、保険金が受け取れません。

◆建物は5000万円まで、家財は1000万円まで
地震保険は、保険会社や政府が、地震発生時の巨額の保険金支払いに耐えられるよう、最初から契約できる保険金額に対して、一定の制限を設けています。契約できる保険金額の割合は、火災保険で契約した保険金額の30%~50%の範囲内となっており、上限額については、建物が5000万円まで(1敷地内・1被保険者につき)、家財は1000万円まで(1敷地内・1世帯につき)です。

◆今、加入の火災保険に、途中で加入もOK
「地震保険に申し込みたい」という方は、今加入中の火災保険に地震保険を付けることが、一番手っ取り早い方法です。もちろん、契約期間の途中からでも、地震保険を付けることはできます。まずは、今加入中の保険会社に連絡して、相談してみましょう。

◆2019年1月に地震保険料の値上げ予定
地震保険の保険料は、建物の構造と地域によって異なっています。当然ながら、地震の発生頻度の高い場所の保険料は、高くなる傾向にあります。

さらに、2019年1月に地震保険の料率が改定され、全国平均で3.8%の引き上げが予定されています。ただし、場所によっては保険料が下がるところもあるため、自分の住んでいる場所がどうなるか確認し、もし保険料が上がる地域に建物があるなら、2018年中に加入しておくのも一つの方法です。

◆地震保険料控除が受けられる
地震保険の保険料は、所得控除の対象になります。控除の対象は、所得税が地震保険料の全額(5万円が上限)、住民税は地震保険料の半額(上限2万5000円)です。地震保険料控除を受ける場合は、保険会社から送付されてくる地震保険料控除証明書が必要になります。会社員であれば、年末調整時に申告することができますので、控除証明書は捨てずに取っておくようにしましょう。

◆共済の地震保障を確認しよう!
地震に関する保障は、損害保険会社の保険商品だけではなく、共済などの商品にもあります。共済の地震保障は、どのような特徴があるのでしょうか。そもそも共済とは、加入者から集められた出資金で成り立っている、いわば支え合いの仕組みで運営されている団体。加入するには、出資金を払って組合員になることが前提条件です。主だったところには、全労済やJA共済、都道府県民共済などの全国生協連共済などがあります。

共済の商品で地震を備えたい場合は、損害保険会社の保険と同様に、主契約となる火災共済にセットで加入する必要があります。なお、地震保険は政府との共同運営だったのに対し、地震共済は、その運営を共済が独自でおこなっているという違いがあります。そのため、商品内容や掛け金は共済ごとに異なっています。

なお、先述の地震保険料控除は、共済商品も対象です。ここでは代表的な共済である、全労済とJA共済の地震共済について確認してみましょう。

◆全労済の「自然災害共済」
先述の地震保険は都道府県ごとに保険料が異なっているのに対し、全労済の「自然災害共済」は、掛け金が全国一律であることが大きな特徴です。

全労済では、住まいに関する商品に「住まいる共済」があり、その中には「火災共済」と「自然災害共済」の二つの保障があります。「火災保障」はいわゆる「火災保険」に該当する商品で、もう一方の「自然災害共済」が地震などによる被害に備えられる共済です。さらに少し掘り下げると、「自然災害共済」は、地震による火災や損壊、噴火、津波に備えておくことができ、損害の程度は4段階(「全壊・全焼」、「大規模半壊・大規模半焼」、「半壊・半焼」、「一部壊・一部焼」)に分けられています。

「大型タイプ」は最高1800万円、「標準タイプ」は最高1200万円まで共済金が支払われます。

◆JA共済の「むてきプラス」
JA共済では「むてきプラス」という建物を保障する商品を提供しています。通常建物を保障する商品といえば、建物と家財と賠償責任を保障するものが多い中、「むてきプラス」は人のケガや死亡に関しての保障が既にセットされている商品です。

また、多くの商品は掛け捨て型が多い中、「むてきプラス」は満期時に共済金が受け取れる貯蓄型の商品です。「むてきプラス」も地震共済の掛け金は全国一律ですが、満期金が受け取れる分、掛け金は少々高めになります。

いざという時に困らないよう、改めて確認してみてください。

文=小澤 美奈子(マネーガイド)