相談者は、赤字続きの家計に悩む30代の主婦の方。ファイナンシャル・プランナーの八ツ井慶子さんがアドバイスします。

◆赤字を解消したい。そして3年以内にマイホームを購入したい
皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、赤字続きの家計に悩む30代の主婦の方に、ファイナンシャル・プランナーの八ツ井慶子さんがアドバイスします。

◇相談者
匿名希望さん
女性/専業主婦/35歳
賃貸住宅

◇家族構成
夫(講師)、長男(3歳)、次男(1歳)

◇相談内容
かさむ光熱費などや引っ越し、妊娠、出産で、だんだんと赤字になり、ここ半年は赤字のまま推移していて、ほとほと嫌になりました。どうにか、家計をやりくりしたいと考えても、いつも赤字で、やりくりなんて出来ません。夫は今、サブで仕事も始めたところです。この家賃であれば、ローンを組んで家を買える金額なので、なんとか、貯蓄を増やしてマイホームを3年以内に購入したいです。

◇家計収支データ
「匿名希望」さんの家計収支データ

◇家計収支データ補足
(1)保険の内訳
夫/共済(死亡保障1500万円)=保険料3310円
妻/共済(死亡保障500万円、がん特約100万円)=保険料2050円
長男/学資保険(18歳満期、満期金200万円)=保険料1万1000円

(2)住宅購入について
一戸建てを希望。リフォーム費用があまりかからなければ中古でも可。収入に見合った価格の住宅であればいい。 

(3)教育費について
高校までは親が負担するが それ以上(大学、専門学校)は自分の奨学金で行ってほしいと考えている。

(4)夫の副業
月5万円程度になる予定。

(5)妻が働くことについて
次男が幼稚園に入園したら、看護師としてフルタイムで働く予定。それまではパート勤務で働ければと思っている。

◇FP八ツ井慶子からの3つのアドバイス
アドバイス1:支出の把握が家計改善の第一歩
アドバイス2:最大の強みは「看護師」であること
アドバイス3:住宅購入は貯蓄ペースがしっかりつかめてから
 ◆アドバイス1:支出の把握が家計改善の第一歩
家計の改善にはいろいろな手段がありますが、その第一歩となるのは家計の把握です。そこに改善のポイントがあるからです。匿名希望さんの場合、ここ半年赤字とのことですが、データだけで判断すると、計算上毎月10万円超の黒字となるようです。

単なる記入漏れにしては大きな額ですし、何にどのくらい使ったのかを理解できていないのであれば、むしろ問題なのは、この点かもしれません。まずは、現状の家計収支をしっかりと把握しましょう。

基本はきちんと記録していくことですが、お金の流れは毎日。慣れるまでは意外と大変かもしれません。基本はレシートを必ず持ち帰り、整理、集計する。レシートの残らない支出、たとえば口座引き落としの支出は、引き落としのお知らせを保管したり、通帳で管理します。友人との外食やお祝い金などは、忘れず金額をメモしておく習慣付けが大事です。

「半年間は赤字で推移」とのことですから、少なくともその間は収入以上にお金を使っているわけですね。イレギュラーな支出もあったでしょうが、今後もそういう支出はあるはず。ともあれ、家計収支を明確にすることが赤字改善の第一歩です。
 ◆アドバイス2:最大の強みは「看護師」であること
家計支出が明確になれば、次は「使い方」のチェックです。「削れる部分はない」と思われるかもしれませんが、赤字であるならば支出に優先順位を付けて、必要性の低いところから手を付けていきます。まずは赤字を出さない家計を目指し、できれば児童手当分は貯められようにしたいところです。

支出カットと同時に考えたいのは収入アップです。しかも、お子さんは3歳と1歳。これから教育費が発生していきますから、しっかり準備していく必要があります。

ただし、それに対しては、すでにご主人が「副業」を始めたとのこと。収入は月5万円とのことですが、これが継続されるなら家計にとっては大きなプラスです。しかし、注意も必要。家計に余裕が生まれた分、支出も増えてしまっては何の意味もありません。収入アップでも生活水準を無意味に上げることなく、全額貯蓄に回すくらいの意識を持ちましょう。

もうひとつ、匿名希望さん自身にも大きな強みがあります。それは「看護師としてフルタイムで働く予定」という部分。資格があり、ニーズのある職種であることに加え、給与水準も平均的に高いですね。

具体的な収入は推測の域を出ませんが、家計は一気に改善することでしょう。家計管理さえできていれば、おそらく、年間200万円程度の貯蓄は十分可能ではないでしょうか。仮に20年勤務すれば、計4000万円。お子さん2人の教育費を含めた子育て費用1000万円×2人分を差し引いても2000万円。希望されている住宅購入も現実味を増してきます。
 ◆アドバイス3:住宅購入は貯蓄ペースがしっかりつかめてから
その住宅購入ですが、希望は「3年以内」とのこと。しかし、よりリスクを抑えるなら、もう少し待ってもいいと思います。奥様が看護師として働くのが、次男の方が幼稚園入園時ということですから、3年後。それまでパートで働かれるとのことですが、フルタイム勤務になり、世帯収入と貯蓄ペースをしっかりつかんでから、より安全な住宅ローンの計画を立てるのも遅くはないと思います。

あと、保険についてですが、奥様がフルタイムで働かれるようになったら、家計を確実に支えますから、奥様の死亡保障を引き上げておくことも検討してみてください。

もうひとつ、教育費について。「大学以上は奨学金で行ってほしい」とありますが、もし最終的に子ども本人が学費を負担するにしても、いったんは出して差し上げる必要もあるでしょう。そういう意味においては、全額でなくてもいいので、たとえば、児童手当を全額貯めれば、1人約200万円になります。それだけでも用意してあげてはどうでしょうか。


教えてくれたのは……
八ツ井慶子さん
 
ファイナンシャル・プランナー。大学卒業後大手信用金庫に入庫。本当にお客様にとっていいものを勧められる立場になりたいとの思いから、個人相談が中心のファイナンシャル・プランナーとして独立。近著に『ムダづかい女子が幸せになる38のルール』(かんき出版)と『サラリーマン家庭は"増税破産"する!』(角川oneテーマ21)がある。テレビ、新聞、雑誌などでも活躍中。All Aboutマネーのガイドを務める。

文:清水京武

文=あるじゃん 編集部