私の経験から言うと「株のプロ」の話は、うのみにしてはいけません。なぜなら、その話を聞いても、ほぼ役にたたないことが科学的に実証されてきたからです。「アドバイスに従うほど損をする」というのは、金融の世界では常識です

◆「株のプロ」の話は、うのみにしてはいけない?
私の経験から言わせてもらうと、「株のプロ」の話は、うのみにしてはいけません。なぜなら、その話を聞いても、ほぼ役にたたないことが科学的に実証されてきたからです。「アドバイスに従うほど損をする」というのは、金融の世界では常識です。

◆ 理由1:「機関投資家」は、市場平均よりも成績が悪い?
まず、「機関投資家(投資信託の資金を運用するプロの投資家)」の言うことを信じる必要はありません。彼らと付き合うのは時間のムダですし、ほぼ確実に損をします。だから、彼らの話は、とことん無視して下さい。

なぜ、こんな話をするのかというと、「プロのファンドマネージャー(機関投資家)の運用成績は市場平均にすら勝てない」という事例が多数確認されているからです(文末参考文献(1))。SPIVA U.S. Scorecard(2016)によると、大型株アクティブファンドの約9割が、市場平均にすら勝てないことが分かっています。

前述したのは米国の研究ですが、これは日本においても同じ研究報告がされています(文末参考文献(2))。つまり、日本の機関投資家も、大半が市場平均に勝てません。だから、基本的には機関投資家の話については、無視するのがよいでしょう。

◆理由2:「アナリスト」の業績予想は、当てにならない
次に、「アナリスト(企業の調査を行い、業績を予想する人)」の言うことも信じなくてよいです。なぜなら、彼らの業績予想は当てにならないからです。Davide Dremanによると、アナリストの予想の誤差は平均44%にのぼるとのことです(文末参考文献(3))。

44%というと、もはや「誤差」とは言いがたいほど大きな違いです。これはつまり、アナリストが「今月の純利益は60億円だと考えられる」と言ったとして、実際は40%くらいの誤差があるということです。そんなに違うのなら、予想をしている意味がありません。

過去の事例からみて、アナリスト達は「予想を大幅にはずしている」ことは事実です。それにも関わらず、彼らの話しをうのみにする個人投資家は後を絶ちません。

◆理由3:「マネー誌」を頼りにしても、利益を出せない
3つ目の理由が、「マネー誌」に書かれていることをうのみにしても、決して利益につながらないという点です。山本一郎さんによると、「夕刊紙で取り上げられている推奨銘柄は、成績が悪い」ということが分かっています(文末参考文献(4))。だから、新聞やら雑誌に載っている銘柄を買っても、市場平均には勝てません。

よって、「新聞で紹介されている株」「雑誌で紹介されている株」「アナリストが推奨している株」「証券会社が紹介してくれた株」などを買うのは、愚の骨頂です。こういった銘柄を買っても、ほぼ儲かることはありません。

その他の論文でも、「無視されている株ほど収益性が高い(Neglected-firm Effect)」ということが実証されています(文末参考文献(5))。要するに、メディアで注目されている銘柄を買ってもほとんど儲からないと言えるでしょう。

◆自分で適当に株を選んで、買ったほうがよい?
要するに、この記事では何を言いたいのかというと、「誰かの話を頼りに考えるぐらいなら、自分で適当に株を選んで、買ったほうがよくないか?」ということです。そのほうが、娯楽としては、楽しめることになると思います。

あるいは、本気で資産形成・資産運用を志している方であれば、米プリンストン大学の名誉教授も推奨している「インデックス投資」あたりに手をつけるのがよいでしょう。ヘタに誰かの意見を聞くよりも、そうやって資産を運用したほうが、ずっとよい運用成績が得られると思いますよ。

●参考文献
(1) 調査:SPIVA U.S. Scorecard(2016)
(2) 調査:SPIVA Japan Scorecard(2016)
(3) 書籍:Contrarian Investment Strategies: The Next Generation(David Dreman)
(4) 書籍:『美人(ブス)投票入門』(山本一郎)
(5) 論文:Giraffes, Institutions and Neglected Firms(Avner Arbel, et.al)

文=中原 良太(マネーガイド)