シスコシステムズは9月12日、新たに開発した同社初という人工知能(AI)や機械学習(ML)のワークロード向けサーバである「Cisco Unified Computing System(UCS) C480 ML」を発表した。2018年第4四半期中に提供開始を予定している。

  • UCS C480 ML M5の前面

    UCS C480 ML M5の前面

  • UCS C480 ML M5の背面

    UCS C480 ML M5の背面

新製品はNVIDIA GPUを搭載し、機械学習ソフトウェアを高速化が図れる設計としたほか、多くの機械学習ツールを検証しており、導入を簡素化してインサイトを得るまでの期間を短縮できるという。同社のサーバポートフォリオに同製品を追加したことで、AIやMLのライフサイクルを通じて、段階ごとに多様なコンピューティングオプションの提供を可能としている。

現場・エッジ環境でのデータ収集や分析から、データセンター内でのデータ・プレパレーションとトレーニング、AIの中核部分でのリアルタイム推論、ユーザサービス提供までの範囲をカバーするとしている。

データサイエンティストや開発者向けには、新しいDevNet AI デベロッパー センターにおいて次世代のアプリケーションのためのツールやリソースも提供するという。IT部門はCisco UCSのアーキテクチャにより、自社環境に最新テクノロジーを追加できるとしている。

Cisco UCS ManagerやCisco IMCによる管理に加え、クラウドベースのシステム管理「Cisco Intersight」も容易に利用できることに加え、クラウドから多様なコンピューティング基盤のポリシーやオペレーションを自動化を可能としている。

さらに、同社の検証済み設計ガイドを利用することで、AIやMLのソフトウェアスタックが複雑化することを避けられるため、IT部門はAIやML向けのプラットフォームを全社規模で導入できる。具体的にはAnacondaやGoogle Kubeflowなどの機械学習ソフトウェア、ClouderaやHortonworksなどのソリューションのテストや検証を、新しいサーバ上で行っている。

エコシステムによる設計として、同社は単独で開発を進めるのではなく、コンテナやマルチクラウドコンピューティングモデルを導入することで、アプリの所在場所に関わらず、オープンソースのソフトウェアの大規模な導入を容易にしているという。

さらに、NetAppやPure Storageと協力し、ディープラーニングに最適化したコンバージドインフラ製品にも取り組みも進めている。

新製品は同社のパートナーを通じ、アナリティクス、ディープラーニング、オートメーションまでをカバーするシスコサービスによる広範なAIおよびMLサポート機能と合わせて提供の開始を予定している。