兼六園【石川県】

金沢の観光地といえば、真っ先に名を挙げられるのが「兼六園」。延宝4年(1676)、加賀藩第5代の前田綱紀が別荘として「蓮池御亭(れんちおちん)」を建て、周囲を庭園化したのが始まりといいます。その後、歴代藩主により長い年月をかけて形づくられてきました。岡山の「後楽園」、水戸の「偕楽園」と並ぶ日本3名園のひとつであり、昭和60年(1985)には庭園の国宝ともいえる国の特別名勝に指定されています。

6つの異なる景観要素が共存している江戸時代を代表する林泉廻遊式庭園


兼六園の名称は、6つの景観を兼ね備えているということから名付けられています。6つとは、『洛陽名園記』という宋の時代の書物に記されている「宏大」「幽邃(ゆうすい)」「人力」「蒼古」「水泉」「眺望」と呼ばれる要素。それぞれの意味合いはちょっと難しいですが、要するにこの6つの景観が見事に共存している、バランスの取れた庭園であるということ。 庭園には「座観式」(建物の中など一定の場所から眺める)と「廻遊式」(散策しながら周囲を眺める)のスタイルがあり、兼六園は後者。江戸時代を代表する大名庭園で、さまざまな庭園手法を取り入れながら作庭されています。また、県内随一の桜・梅・紅葉の名所でもあり、日本さくら名所100選に選ばれています。

まずは見どころスポットを確認。広いので効率よく見て回りたい


約11.4ヘクタールと広大な兼六園は、「広すぎてどこを見ればいいのかわからない」という人もいることでしょう。そこで、「これは外したくない!」という見どころスポットをアドバイス。 まずは「徽軫灯籠(ことじとうろう)」。片足を池の中に入れた、兼六園のシンボル的存在。桂坂口料金所から霞ヶ池に向かうとすぐ見えてきます。記念撮影のスポットです。 「霞ヶ池」は兼六園で一番大きな池。池の中には蓬莱島が浮かび、池の周囲には見どころも多くあるので、グルリと一周してみることをオススメします。 「唐崎松」は園内一の枝ぶりで、兼六園の冬の風物詩、雪吊りで有名な黒松。雪吊りの作業は11月にこの黒松から開始されます。 「眺望台」は海抜53mの地点にある高台。卯辰山や白山山系、能登半島方面が見渡せるスポットです。 「明治紀念之標」は西南戦争で戦死した郷土の軍人を祀るために、明治13年(1880)に建てられた日本武尊(ヤマトタケルノミコト)の像。日本最古の銅像であり、兼六園を見降ろすように立っています。

散策の合間の休憩、ティータイムは「時雨亭」で


「山崎山」は小さな山。木々の間の散策が快適です。「あかあかと 日はつれなくも 秋の風」という芭蕉の句がふもとの句碑に刻まれています。山腹には五重の塔も。 「鶺鴒島(せきれいじま)」には人生の三儀式を表す陰陽石(誕生)、相生の松(結婚)、石塔(死)があり、別名夫婦島とも呼ばれます。カップルにオススメのスポット。 「根上がりの松」は、40本以上の根が2mほど地上部分にせり出した勇壮な立ち姿が特徴。 「時雨亭」では煎茶や抹茶をいただくことができ、時雨亭オリジナルの上生菓子なども提供されます。もともと別の場所(蓮池庭)にあった時雨亭は廃藩後取り壊されましたが、平成12年(2000)に長谷池の前に再建されました。散策の合間の一服はぜひここで。 そのほかにも「虎石」「雁行橋」「七福神山」「龍石」「兼六園菊桜」「梅林」「瓢池(ひさごいけ)」「夕顔亭」「榮螺山(さざえやま)」「獅子巌(ししいわ)」「噴水」「曲水」「金城霊沢(きんじょうれいたく)」と見どころが満載。 兼六園には入口(料金所)が7カ所あり、どこから入るかで見て回るルートも変わります。名所の楽しみ方は人それぞれですが、できれば事前に庭園マップなどで定番スポットを確認しておくことをオススメします。