OKIは28日、プロジェクションマッピング技術と画像センシング技術を活用し、生産現場での組立作業ミスのゼロ化を支援する「プロジェクションアッセンブリーシステム」の販売を開始した。価格はオープン。

  • システム概要

    システム概要

従来方式のLED表示による組立支援システムでは、品質確認ポイントなどの注意喚起ができないことや、部品ごとにLEDや光電センサーの配置とこれらの制御にPLCも必要となり、配線も多くなる。また、ラインの新設や変更にも時間を要し、設備費用が高額になるなど多くの課題を抱えていた。同時に、人の作業の可視化や、分析・改善へつながるIoT活用も課題となっていた。

OKIは、これらの課題に着目し、光による作業誘導をLEDからプロジェクターに変更し、さらに人の動作のセンシングを高精度化したシステムを、同社モノづくり拠点のひとつであるOKI富岡工場(以下、富岡工場)で構築した。

これにより富岡工場では、ラインの容易な立上げや変更、組立作業教育の負荷低減、作業ミスの大幅な削減を実現した。さらに、プロジェクターなどの汎用的なICT機器を活用することにより、設備投資費用を大幅に低減しました(同社比約25%)。

このたび販売を開始した「プロジェクションアッセンブリーシステム」は、富岡工場のシステムをベースに、さらにさまざまな製造業の顧客が活用できる汎用ソフトウェアとして開発したシステム。ユーザーによる各種設定が可能なうえ、それぞれが用意する作業台に応じたプロジェクター表示内容や表示エリア、動作認識の設定、組立工程の手順作成や変更をExcelファイルで実現するなど、ユーザーによる運用の幅を広げることが可能となっている。

  • システム活用イメージ

    システム活用イメージ

また、作業結果をデジタルデータ化し、「作業時間のばらつき具合の見える化」も実現し、ばらつきを可視化することで問題発生箇所が特定できる。

このように同システムは、人の作業の可視化や分析・改善を支援する仕組みを具備することで、モノづくり現場におけるIoTの活用を支援するシステムとなっている。