「裏切り者は常にいる」より。(c)荒木飛呂彦&LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社

荒木飛呂彦「ジョジョの奇妙な冒険」の展覧会「荒木飛呂彦原画展 JOJO 冒険の波紋」のプレス内覧会が、本日8月21日に東京・六本木の国立新美術館にて開催された。

「ジョジョの奇妙な冒険」30周年のラストを飾る「荒木飛呂彦原画展 JOJO 冒険の波紋」では、原画はもちろん、さまざまな技術を駆使し「ジョジョ」史上最大規模の展示を実施。展示は全8章から構成されており、約280枚の原画などを公開する。

最初の展示エリア「ジョジョクロニクル」では、第1部「ファントムブラッド」から第8部「ジョジョリオン」までの主要キャラクターを各部のあらすじとともに紹介。また荒木からの挨拶文を記したパネルも設けられている。

第2エリア「宿命の星 因縁の血」の左右の壁には、各部の主人公とライバルキャラクターの原画を向かい合うように設置。キャラクターの名セリフをあしらったバナーも展示コーナーの中央に掲げられている。第3エリアの「スタンド使いはひかれ合う」では、これまに登場してきた150以上のスタンドとスタンド使いを原画を使って紹介。第4エリアの「JOJO's Design」には「ジョジョ」のカラーイラストの特徴である「色使い」「ポージング」「構図」「グラフィック」「ファッション」をテーマにセレクトされた原画が並んでいる。

第5エリアの「ハイ・ヴォルテージ」には、第1部から第7部「STEEL BALL RUN」までのクライマックスシーンの原画がずらり。「ジョジョ」のイラストや擬音を使ったプロジェクションマッピングも壁面に投影されている。第6エリア「AURA〈アウラ〉」では、“スタンドの起源”をテーマにビジュアルデザインスタジオ・WOWとのコラボで制作された映像を上映。なお会場にはこのほか美術家・彫刻家の小谷元彦と、ファッションデザイナーの森永邦彦が制作したコラボ作品も披露される。

続く第7エリアの「裏切り者は常にいる」に並べられているのは、荒木が展覧会のために描き下ろした2000mm×1200mmサイズの原画12枚。12人のキャラクターと12体のスタンドが描かれている。最終エリア「ジョジョリロン」では荒木へのインタビュー映像を上映しているほか、荒木の生い立ちからこれまでの歩みをまとめた年表、キャラクターやストーリー作りなど創作ノウハウについて紹介するパネルなどが設置された。

内覧会には荒木も登場。展覧会のために描き下ろした原画について荒木は「原画を見ている私たちの世界とキャラの世界が一体化することを目的に、大きな原画を描きました。原画の並べ方もただ一列に並べるということではなく、(正面・右・左の)3方向に原画を並べて来場者をキャラが取り囲むようにしています」と説明する。実際に会場に並べられた原画を見ての感想について荒木は「ディオの原画の背景の色がちょっと濃すぎて失敗したかなという気はします(笑)。原画が大きすぎて描いているときはわからないんですよね」とこぼす。この発言に対し進行担当者から「失敗したと言ってしまっていいんですか?」との声も上がったものの、荒木は「いいんです。原画はライブなんで」と宣言した。

また原画に描いたキャラクターの選定方法について問われた荒木は、「読者の皆様の人気を元にしたというわけではなく、単純にキャラクターのシルエットを元に選んでいきました。ただ承太郎とディオは『ジョジョ』を象徴する人物なので、その2人は入れようというのはありましたね。個人的にはカーズが半分ヌードなのが描いていてよかったです」と解説。さらにこだわったポイントについて、「(背景を描く際に決める)消失点っていうものがあるんですけど、それを(実際の人間の目線と同じ程度の)150cmくらいの位置に設定しました。そういう部分から(現実と『ジョジョ』の世界の)差をなくして一体化してもらえればと思って」と語った。

「荒木飛呂彦原画展 JOJO 冒険の波紋」は8月24日から10月1日まで国立新美術館、11月25日から2019年1月14日まで大阪文化館・天保山にて実施。東京会場のチケットは日時指定制で販売されている。

荒木飛呂彦原画展 JOJO 冒険の波紋 東京会場

会期:2018年8月24日(金)~10月1日(月)※8月22日(水)、23日(木)はプレビューデイ
時間:10:00~18:00(毎週金・土曜日は21:00まで)※最終入場は閉館の30分前まで
会場:国立新美術館 企画展示室2E

荒木飛呂彦原画展 JOJO 冒険の波紋 大阪会場

会期:2018年11月25日(日)~2019年1月14日(月)※11月23日(金・祝)、24日(土)はプレビューデイ
時間:10:00~20:00 ※最終入場は閉館の30分前まで
会場:大阪文化館・天保山