桐光学園のCBコンビ、内田拓寿(左)と望月駿介(右) [写真]=安藤隆人

 長い、長い、戦いだった。桐光学園VS昌平のインターハイ準決勝は、雷による2度の中断で、11時キックオフの試合がタイムアップのときを迎えたのは17時20分。実に6時間超の長い戦いを経て、桐光学園が3-2で昌平を振り切って、中村俊輔(現・ジュビロ磐田)を擁した1996年度以来となるインターハイ決勝に駒を進めた。

 昌平戦では準々決勝の富山第一戦で一回戦の一条戦以来となる無失点の快勝で制した勢いそのままに、堅守速攻が冴えに冴え渡った。その中枢にいたのが望月駿介と内田拓寿のCBコンビだ。1年生の時から不動のCBコンビを組み、桐光学園の最終ラインを支えて来た男たちは、最高学年を迎えた今、最高のコンビネーションを見せている。

 阿吽の呼吸でラインをコントロールし、昌平のパスワークに対しても素早いスライドで対応。特に昌平のボランチ・原田虹輝の攻撃のスイッチを入れる縦パスに対しては、受け手に対して鋭い寄せを見せて、シュートまで持ち込まれても最後は身体を張ってブロックするなど、立ち上がりから高い集中力を発揮していた。

 気迫の守備に支えられた攻撃陣も、開始早々の4分にエース西川潤がポスト強襲のミドルシュートを放つなど、鋭いショートカウンターで昌平ゴールを脅かした。

 望月と内田が形成する中央の牙城をこじ開けようと、昌平もポゼッションからミドルシュートでゴールを狙った。35分のMF丸山聖陽の強烈なミドルと、直後の原田のミドルシュートはいずれも枠を捉えるが、ともに桐光学園GK北村公平がファインセーブでゴールを許さなかった。

 0-0で迎えた後半、守備で奮闘した2人が試合を動かす。40分にMF佐々木ムライヨセフのドリブル突破から、桐光学園が左CKを得る。ショートコーナーを受けた西川が上げたクロスを、ファーサイドでフリーになった内田がヘッド。「GKの頭上を破るイメージで正確に当てた」ヘッドは、山なりの軌道を描いてゴール左サイドネットに吸い込まれ、桐光学園が先制に成功した。

 さらに42分、左サイドバックの金子開研のロングパスに抜け出した西川が2点目のゴールを挙げると、45分には西川の右CKから、ファーサイドに飛び込んだ望月がドンピシャヘッドを突き刺し、3-0。

「どの試合も2人で守って、かつ点を獲ることを目標にしているので、それが実現できて嬉しかった」と内田が語ったように、エースとCB2人の5分間での連続ゴールで、試合は桐光学園に流れが一気に傾いた。

 だが、そのわずか3分後、分厚い黒い雲とともに雷鳴が響き、試合は中断になってしまった。そして、その中断時間は約4時間半。

 48分から試合は再開されたが、「昌平は再開直後から勢いよく攻めて来ることは分かっていたが、どこまで守るべきか、どこまで攻めるべきかの判断が難しかった」と鈴木勝大監督が語ったように、迷うこと無く攻めて来る昌平の攻撃に苦しめられた。

「昌平の勢いが凄かったし、キツかった」と望月が語ったように、ピッチ上の選手も相当な圧力がかかり、55分にMF森田翔に1点を返され、さらに勢いに飲み込まれそうになるが、「2人でずっと声を掛け合っていた」(内田)と、2人のCBは必死で耐え続けた。

 結果、2度目の中断というアクシデントにも見舞われ、試合終了直前のラストプレーでMF須藤直輝に1点決められたが、3点のリードは守り切った。

「勝ち切れて良かった。2人で成長できているし、すごくいい関係になっています」(内田)
「ずっと2人で組んで来たので、最後まで連携してリードを守り切れたのは大きい。次はもう決勝なので、すべてを出し切りたい」(望月)

 攻守に渡って活躍し、史上稀に見る長丁場の戦いを制したことで、この2人の信頼関係はさらに深まった。決勝ではこの信頼関係を固い壁に変えて、歴史を塗り替える戦いに臨む。

取材・文=安藤隆人