動画に関しては、4K HDR撮影に対応した点と、デュアルカメラによる高感度撮影が可能な点がトピックといえます。4K HDRに関しては、新たにフォーマットとしてHEVCに対応しました。iPhoneではiOS 11からサポートし、より効率の高いフォーマットとされています。

HEVC自体は、iPhone以外にもAndroidも対応し、MacやWindows 10も最新バージョンで対応していますが、Windowsでは対応ソフトウェアが少ないところが難点です。YouTubeであればアップロードもライブストリーミングも可能とのことなので、一般的な用途ではそれほど困らないでしょう。HEVC 10bit HLG BT.2020で階調や色域も向上していますし、4KだけでなくフルHDでもHDR撮影に対応しているのも嬉しいところです。

HDRは、明暗差の激しい被写体で白トビや黒ツブレを抑えた映像が撮影でき、人間の目に近い表現が可能です。基本的に、HDRはオンにして撮影するといいでしょう。ただし、電子式手ブレ補正のインテリジェントアクティブモードが使えないといったデメリットもあるので、シーンに応じて使い分けるとよさそうです。

4K HDRをオフにして撮影した動画
こちらは4K HDRをオンにして撮影した動画。明るすぎず暗すぎず、より適切な映像になっています

動画の高感度撮影は、静止画よりは低感度とはいえ、ISO12800まで増感できます。ISO感度を任意に設定することはできないので、暗所では自動的に感度が上がります。そのため、デュアルカメラの設定も「オフ」か「オート」化しか選べません。また、4Kでの撮影もできないようです。

デュアルカメラの設定を「オフ」にして撮影した動画。周囲の様子は真っ暗でほとんど分かりません
デュアルカメラの設定を「オート」にして撮影した動画。オートだとデュアルカメラでの撮影になったようで、何となく周囲の状況が分かるようになっています

効果は確かに高く、暗闇でもずいぶん明るく見えるようになります。画質はそれなりに劣化しますが、やはりシングルカメラでの撮影に比べれば画質は向上しており、かつ明るく撮影できます。

真っ暗闇でも写せるというほどではなく、そもそもピントがきちんと合わないので、過剰な期待はしないほうがいいでしょう。それでも、今まで撮れなかったような「小さい電灯での室内」「暗めのバー」あたりであれば、十分な明るさと画質で撮影できます。

今まであきらめていたような暗い夜景なども撮影できるのが、Xperia XZ2 Premiumのデュアルカメラがもたらす高感度のメリットです。もちろん、HUAWEI P20 Proのように連写合成による手持ち夜景というやり方も、一つの手法でしょう。ソニーは、もともとデジタルカメラで連写合成による手持ち合成を実現しており、Xperiaでも同様の機能を搭載してほしいところです。しかし、デュアルカメラによる高感度対応は、画質面でもスマートフォンカメラとしてはレベルが高く、便利に使える機能に仕上がっています。

自由作例でカメラ機能の実力をチェック

最後に、Xperia XZ2 Premiumで撮影した写真をご紹介しましょう。低感度では精細に被写体を収められることが分かります。

Xperia XZ2 Premiumは、スマートフォンとしては大きく重いため、なかなか万人にすすめられる製品とはいいづらいのは確かです。しかし、4K HDRディスプレイを生かした映像表示や、デュアルカメラを活用した高感度対応カメラなど、「一芸に秀でた」スマートフォンとして面白い存在といえそうです。