パナソニックは8月2日、次亜塩素酸を活用した空間除菌脱臭機「ジアイーノ」の家庭用新モデル「ジアイーノ F-MV1000」(以下、F-MV1000)を発表しました。ジアイーノシリーズといえば、業務用の「空間清浄機」として活躍している清浄機。ウイルスや細菌による感染を気にする医療や保育、介護などの公共空間、臭いの気になるペット関連の現場などで活躍してきました。
そして、この除菌・脱臭パワーを気に入ったユーザーからの「家庭用も作ってほしい!」という声に応え、2017年に発売されたのが家庭用モデル「F-MV3000」です。今回新たに発表されたF-MV1000は、このF-MV3000の姉妹モデルで、9月20日に発売予定です。
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9月20日に発売される新型ジアイーノ F-MV1000。見た目は空気清浄機のようです
■空間清浄機は空気清浄機とは違うの?
現在、日本において「部屋の空気をキレイにする家電」といえば、空気清浄機をまず思い浮かべますよね。“空間除菌脱臭機”と呼ばれるジアイーノは、じつは空気清浄機とは「部屋の空気をキレイにする」方法や清浄化する得意分野がまったく違います。
一般的に、空気清浄機は部屋の空気を本体内に取り込んで清浄化し、キレイにした空気を室内に放出します。空気を清浄化する方法は、フィルターでゴミを濾過(ろか)するフィルター式のほか、静電気でゴミを吸着させるものまでさまざま。
ですが、いずれも一度本体に「取り込んだ空気」しか清浄化できません。「漂う微細ゴミの集塵」や「空気中を漂う臭いの抑制」には向いているものの、部屋の壁などに付着したゴミや菌をキレイにするのは苦手としています。つまり、家族みんなが触るような「ドアノブ」などの付着菌は除菌できないため、家族間の接触感染を減らすことには向いていないのです。
一方、ジアイーノシリーズは空間に「次亜塩素酸」を放出させるのが特徴。揮発した次亜塩素酸を部屋中に放出させることで、室内のウイルスや臭い成分を分解・抑制します。揮発した次亜塩素酸成分が反応して除菌や臭い対策をするため、カーテンやソファなどに付着した菌、ウイルス、臭いを取り除けることが特徴です。
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子どもたちが飲み込む可能性のあるプールの水の除菌や、赤ちゃんの哺乳瓶の除菌などに使われるのが次亜塩素酸。除菌力の高さと安全性の高さが特徴です
とくに、臭いに関して、空気清浄機が苦手とする「臭いを発散し続ける原因」にアプローチすることが可能。空気清浄機では対応しにくかった「汚れたオムツ」や「ペットの動物臭」などにも効果的だそう。反面、空気中に浮遊するホコリやPM2.0といった微細ゴミなどを「集塵」する機能は搭載していません。
つまり、部屋のホコリやPM2.0、漂う臭いやタバコの煙といった「浮遊ゴミ」対策には空気清浄機。室内全域のウイルスや菌の対策、臭い対策を重視するならばジアイーノのような空間清浄機が有利なのです。
最近の高級な空気清浄機には除菌・除臭目的でイオンなどを放出する製品もあり、パナソニックでもこのような「ナノイーX」搭載空気清浄機を発売しています。パナソニックによると、ナノイーXが得意とするのは短時間臭いを発する料理のような脱臭などで、家具やカーテン、壁などに付着した菌や臭いの対策には次亜塩素酸がより有効だそうです。
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会場に用意されていた実験装置。2つの透明の箱に強烈な臭いの「くさや」と送風機をセットしてニオイを充満させます。片方の箱にはジアイーノをセットしてニオイの違いをチェック
「くさやだけの箱」→「ジアイーノ入りの箱」の順に臭いをチェックするマイナビニュース・デジタルの林編集長。最初に嗅いだ「くさや」の臭いが強烈だったのか、2度目のチェックは少々へっぴり腰。ですが、嗅いだあとは「ジアイーノ入りはほとんど臭いがない!」とご機嫌に
通常、次亜塩素酸はほぼ無臭ですが、菌や臭い原因などと反応すると特徴的な臭いを発生します。会場ではジアイーノで生成した次亜塩素酸水が配られましたが、この水に鼻を近づけてもほぼ無臭。ですが、雑菌まみれの指に次亜塩素酸水をつけると、プールを連想する塩素のような臭いに変化しました。このニオイが、除菌・除臭をしている証。
会場では数台のジアイーノが稼働していましたが、会場全体もうっすらと塩素のような香りがしていたので、この会場も多くの臭いや雑菌があったということなのでしょう。家庭でジアイーノを使用する場合も、雑菌などが多いタイミングでは薄く塩素のような独特の香りがするそうです。
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ジアイーノで作った次亜塩素酸水に指を入れる林編集長。ボトル内では無臭だったのに、指を入れると一瞬でニオイが発生することに感心しきり
