iPhone 10周年を迎えるタイミングで、日本の公正取引委員会から、非常に興味深い、世界でも希なレポートが提出された。それは、独占禁止法に抵触するかどうかという調査結果で、Appleと携帯電話会社(キャリア)との間で交わされた契約内容の一部が記載されていたのだった。

  • iPhone 3Gはソフトバンクのみの取り扱いだった

レポートでは、キャリアと結んだ「iPhone Agreement」の中で問題視された4つの条項が明らかになっている。その4つとは、「iPhoneの注文数量」、「iPhoneプランの設定」「下取りiPhoneの用途の指定」「iPhone購入補助金の義務づけ」だった。

補助金義務づけ以外の3点については、Appleがキャリアに強制力を発揮するものではなかったことなどから、独占禁止法における事業の拘束に当たらないと判断された。また補助金の義務づけについては、これを解消し、補助金なしのプランを提供できるよう契約を変更したことから、独占禁止法に抵触する状態ではなくなったとして、調査を終了している。

iPhoneをソフトバンクが販売を開始した当初、iPhoneを割引価格で購入できる代わりに2年間の契約継続の縛りが設けられ、またiPhone向けのプランを選択し、データ定額のプランしか選べなかったのを覚えている。レポートでは、そうした購入方法や料金、端末代の割引きが、iPhone Agreementに沿ったものであったことを物語っている。Appleがキャリア経由ではないモデルやSIMロックフリーモデルを提供するようになったのは、2013年のiPhone 5s以降であり、今もなお、販売の大半はキャリア経由で行われている。

2年縛りの契約は日本に限った話ではなく、米国のキャリアでも同様の施策がなされていた。この間、ユーザーは2年ごとに649ドルのiPhoneを199ドルで購入できた。そして、2年ごとの買い換えサイクルが生まれ、Appleもそれに合わせてデザイン変更のサイクルを、iPhone 3G/3GS、iPhone 4/4S、iPhone 5/5sでは維持してきた。SIMフリーモデル登場以降のiPhone 6/6s/7は同じデザインであり、米国のキャリアが2年縛りから脱却したタイミングと重なる。

iPhoneの登場でデータ主体の携帯電話という利用形態に巡り会った米国においては、端末の割引きと最適な料金プランの設定は、ユーザーにとって身近でシンプルな存在としてのスマートフォン導入を促していた。しかしこの10年で、このモデルの在り方も変容してきたと言える。