2008年に放送されたスーパー戦隊シリーズ第32作『炎神戦隊ゴーオンジャー』のオリジナルキャストが再結集し、2018年9月26日よりVシネマ『炎神戦隊ゴーオンジャー 10 YEARS GRANDPRIX』としてBlu-ray&DVDが発売される。

『炎神戦隊ゴーオンジャー』とは、われわれ人間たちが暮らす「ヒューマンワールド」を侵攻しようとする蛮機族ガイアークと戦うため「マシンワールド」の機械生命「炎神」に選ばれた若者たちの、熱き青春と冒険の物語である。

レースカーとレーシングスーツをモチーフにしたヒーローデザインと、乗り物+動物という斬新なコンセプトで生み出された「炎神」のバラエティあふれる個性、そしてパワフルかつ底抜けに明るい作風、凶悪かつユニークな蛮機獣の濃密なキャラクターなどなど、多くの魅力を備えた本作は子どもたちを中心にして高い人気を誇った。

放映から10年という節目の年となる2018年、ファン待望となるVシネマ化がついに実現。かつて『ゴーオンジャー』に出演した敵味方のオリジナルキャストが奇跡の再結集を果たし、『忍風戦隊ハリケンジャー 10 YEARS AFTER』『特捜戦隊デカレンジャー 10 YEARS AFTER』に続く「10 YEARS」シリーズ第3弾として実現した。

『ゴーオンジャー』Vシネマ完成を記念して、ゴーオンジャーからゴーオンイエロー/楼山早輝を演じた逢沢りな、ゴーオンウイングスからゴーオンシルバー/須塔美羽を演じた杉本有美、そして蛮機族ガイアークから害水大臣ケガレシアを演じた及川奈央という、善悪3大ヒロインがひさびさに結集。この3人はテレビシリーズGP-31「歌姫(アイドル)デビュー」において、敵・味方の垣根を越えてアイドルユニット「G3プリンセス」を結成し、放送当時の特撮ファンを驚愕、および大歓喜させたことでも知られている。10年の歳月を経ていっそう美しさと華麗さを増した3人に、Vシネマの企画秘話からテレビシリーズの思い出まで、さまざまなエピソードについて語りあってもらった。

  • 左から及川奈央、逢沢りな、杉本有美

――まずは『ゴーオンジャー』放送から10年という節目に、新作Vシネマが実現したことについての思いからお聞かせください。

逢沢:私にとって『ゴーオンジャー』が芸能界での初めてのお仕事だったので、そのまま芸歴が10年になったんだなあと感慨深かったです(笑)。『10 YEARS』をやるという依頼が来たとき、今ちょうど3歳の甥っ子が『ゴーオンジャー』を観ていてハマっていたこともあり、(出演したら)彼が喜ぶかな?と思ってお引き受けしました(笑)。

杉本:作品としては10年ぶりなんですけれど、『ゴーオンジャー』の放送が終わってからも何度かみんなで集まったりすることがありました。何年かに一度、くらいのペースですけれど。そんなとき「もうすぐ10周年だよね」「新作あるのかな」みたいな話をしていたんですけれど、こういうのを実現させるには私たちから動いていかないといけないっていうことで、キャストのみんなと力を合わせて企画を作っていったところがあります。幸い、全員現役でやっていますし、もう(新作)やるしかないんじゃないかって。

及川:最近、『ゴーオンジャー』キャストのグループLINEができまして、みんなでご飯を食べにいく機会があったんです。そこで、みなさんが私の結婚祝いをサプライズでしてくれて(笑)。すごくうれしかったんです。そんな中、「10周年記念に新作やりたいよね」って話で盛り上がったんです。でも、こういうものはただ待ってるだけでは形にならないんですよね。現在は東映テレビ・プロダクションの社長さんで、当時プロデューサーを務められていた日笠(淳)さんが「僕たちは卒業していく生徒たちを見送る側。かつての生徒たちのほうから『同窓会をやりたい』と発信してくれたら、動くことができます」と話してくださったんです。そこで思い立ちまして、私がみんなから出たアイデアをひとつにまとめて企画案を作り、私と徳山(秀典:ゴーオンゴールド/須塔大翔)さん、片岡(信和:ゴーオンブルー/香坂連)さんと3人で東映さんにお邪魔したんです。

――Vシネマ実現には、キャストのみなさんの熱意と努力が隠されていたんですね。及川さんがまとめられたという、最初のアイデアが気になります。

及川:いや~、私たちがただ、これやりたい、あれやりたいと勝手なことを言ってるだけですからね。古原(靖久:ゴーオンレッド/江角走輔)くんなんて、もう言いたい放題(笑)。

杉本:私たちが最初に出したアイデアって、少しは作品に生かされていたのかな?っていうくらい(笑)。

及川:みんなで話していたのは、『ゴーオンジャー』の最終回の「その次」を描く続編にしようか、それとも現在の時間軸そのままの10年後にしようかってことでしたね。さて、どうなっているのかは、作品を観ていただければわかりますけれど(笑)。