NECは、都市部において老朽化する道路・ビル等のインフラ構造物の健全性を診断するための検査手法として、2つの衛星レーダによる変位解析を統合し、水平垂直両方向の2次元変位を高精度に解析する「2次元微小変位計測技術」を開発したことを発表した。

  • 「2次元微小変位解析技術」の全体

    「2次元微小変位解析技術」の全体

現在、内閣府戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)で行われている衛星レーダ(合成開口レーダ:SAR)による、微小変位解析技術の実用化が進められている。しかし、構造物に当てたレーダの反射点が、ビルなどの密集した場所ではどのインフラ構造物のものか判別しづらく、ニーズの高い都市部での適用が困難であった。

今回、NECが開発した「2次元微小変位解析技術」では、同社独自の反射点クラスタリング技術により、この反射点とインフラ構造物の判別を可能とし、個別に高精度な変位解析を可能にしている。さらに、同技術による解析を都市部埋立地の地盤沈下計測へも適用し、高精度に解析できることを確認した。手動測量による水準点の地盤沈下結果をもとに評価し、平地域(郊外)、都市部ともに誤差を40%低減したという。

  • 新手法により都市部埋立地の変位を解析した例(黒い領域が海で、明るい灰の領域が埋立地。運河を隔てて2つの埋立地がある)

    新手法により都市部埋立地の変位を解析した例(黒い領域が海で、明るい灰の領域が埋立地。運河を隔てて2つの埋立地がある)

NECは、2020年度までの3カ年の中期経営計画「2020中期経営計画」において、セーフティ事業をグローバルでの成長エンジンに位置づけている。同技術は、「NEC Safer Cities」実現に向けたソリューションやサービスの開発を加速・強化するものであり、安全・安心な街づくりに貢献していくとしている。

なお、NECはこの成果に関して、7月22日〜27日にスペイン・バレンシアにて開催されるリモートセンシング関連の国際学会「IGARSS(International Geoscience and Remote Sensing Symposium)」にて発表予定だとしている。