日本オラクル クラウド・テクノロジー戦略統括 ビジネス推進本部 本部長 佐藤裕之氏

日本オラクルは7月18日、自律型クラウド・プラットフォーム「Oracle Autonomous Cloud Platform」に関する説明会を開催した。

同社は昨年の年次イベント「Oracle OpenWorld 2017」で、「Autonomous Cloud Platform」の構想を明らかにし、同プラットフォームのサービス第1弾として、自律型データベース・クラウドサービス「Oracle Autonomous Data Warehouse Cloud」を発表した。

クラウド・テクノロジー戦略統括 ビジネス推進本部 本部長の佐藤裕之氏は、同社のクラウド・プラットフォームのビジョンとして、顧客の「既存システム/データの迅速な活用」「アプリケーションの柔軟な拡張」「新規ビジネスの迅速な展開」を支援することを目指していると説明した。

これらビジョンの実現に向け、クラウド・インフラストラクチャ(IaaS)においては「既存のワークロードのためのエンタープライズのための機能」、クラウド・プラットフォーム(PaaS)においては「アンビエントITを実現する自律化機能の拡張」、ERP/HCM/CX/Marketingサービス(SaaS)においては「機械学習やAIを用いた業務最適化の拡張」に注力している。

  • オラクルのクラウド・プラットフォームのビジョン

さらに同社は、2020年には、現在は人間が行っているシステムの設定・構成、監視、管理、拡張といったルーティンをクラウドで代替することを目指している。これを実現する自律型クラウドサービスが「Platform Software as Autonomous Services」となる。

「Autonomous Cloud Platform」では、共通の基本機能として、コスト低減と生産性向上に寄与する「自己管理」、リスク低減に寄与する「事故保護」、高い可用性を提供する「自己修復」を提供する。

  • 「Autonomous Cloud Platform」の共通基本機能

「Autonomous Cloud Platform」は、APIと機械学習フレームワークを上に、プラットフォームとサービスから構成される。プラットフォームでシステム運用のルーティンを担い、「Data Management」「Application Development」「」「Mobile & Bots」「App & Data Integration」「Analytics」「Security & Management」といったカテゴリーに対しサービスを提供する。

  • 「Autonomous Cloud Platform」のサービスを展開するカテゴリー

具体的には、「Autonomous Cloud Platform」のサービスとして、「Mobile Cloud Enterprise」「Management Cloud」「Content & Experience Cloud」「Visual Bulder Cloud」「Integration Cloud」「Data Integration Platform Cloud」「」が提供される。

今回、新たにブロックチェーン・プラットフォーム「Oracle Blockchain Cloud」の国内提供が開始された。同サービスは、企業や組織のブロックチェーン・ネットワーク構築を容易にし、安全で効率的なトランザクションや、サプライチェーンを通じた世界規模での商品追跡を可能にする。

同サービスはLinux FoundationのHyperledger Fabricの上に構築され、基本的なインフラストラクチャに従属するが、コンテナ・ライフサイクル管理、イベント・サービス、アイデンティティ管理、RESTプロキシ、および単一のコンソールに統合された多数の運用・監視ツールが事前に組み込まれている。

また、99.95%の可用性SLAを実現し、高可用性設定や自律型のリカバリー・エージェント機能に加え、可用性ドメインをまたがる複数のデータセンターでの災害復旧を可能にする継続的な元帳のバックアップ機能を備えている。