日立システムズは、航空測量大手のパスコと協業し、ドローンによる3次元測量を支援するサービスを9月から提供開始することを発表した。

  • ドローン運用統合管理サービス×PADMS-SmartSOKURYO

    ドローン運用統合管理サービス×PADMS-SmartSOKURYO

建設分野では、労働人口の減少や高齢化の進展などにより、生産性向上が大きな課題となっており、国土交通省では、3次元測量データやICT建機などを活用して建設生産システム全体の生産性向上をめざす取り組み「i-Construction」を推進している。

そうしたなか、ドローンによる測量は3次元測量データを効率よく作成できる手段として注目されているが、計画していた撮影コース通りに飛行できなかった場合、要求精度を担保できず、対空標識の再設置や撮影のやり直しが必要となるなどドローン活用の課題となっていた。

対空標識の設置確認

対空標識の設置確認

今回、両者が提供を開始するのは、日立システムズの「ドローン運用統合管理サービス」を通じて、パスコが開発した現場支援アプリケーション「PADMS-SmartSOKURYO(パダムス-スマートソクリョウ)」を、全国の建設会社や測量会社向けに提供するクラウドサービス。

土木工事においてドローンを利用して3次元測量を行う際に、フライト準備からフライト終了後まで、ドローン空撮を正しく行うための現場作業を支援することで、「i-Construction」の実現に向けて作業手順の標準化と品質向上を図り、作業のやり直し防止や業務の効率化を実現できる。

具体的には、タブレット端末で作業計画に基づいた作業項目を提示するとともに、音声ナビゲーションにより漏れなく作業を実施できる。また、対空標識を設置する際には、GPS機能により撮影計画通りの場所へ設置することを支援し、撮影終了後はタブレット上で撮影角度や枚数に不備がないか、焦点がずれた写真がないかをその場で確認し、必要に応じて取り直しを実施できるという。

これにより、撮影計画に基づき、正しい手順通りに撮影を行い、要求精度を満たす3次元測量データを作成することが容易になる。また、遠隔地にいる管理者が現場の作業状況を即時に把握できるリアルタイム情報共有機能や、フライト実施後のレポート作成を支援する機能も有している。これらの機能を日立システムズのクラウドで提供するということだ。