キヤノンITソリューションズ(キヤノンITS)は7月17日、Windows 10対応のIBM i向け端末エミュレータ「TCPLink(ティーシーピーリンク)日本語5250 エミュレータ」の最新版を販売開始した。

メインフレームは、企業の基幹業務システムで広く使用されており、信頼性・安定性が求められる金融、製造、流通の各業界では、今後も継続的な利用が見込まれているほか、2020年1月の「Windows 7」サポート終了に向けて、端末エミュレータにおいても「Windows 10」対応製品へのスムーズな移行と、移行後も従来のように業務を行える機能性が求められているという。

「TCPLink」シリーズは、同社が開発・販売を行う端末エミュレータ製品となり、IBM・富士通・日立・NEC各社メインフレーム向けのオンライン端末機能を提供している。

最新版では、IBM社製エミュレータの標準機能であるプリンタ定義ファイル(PDF)を利用した印刷に対応。IBM 55xx、ESC/P(それぞれIBM、セイコーエプソンが開発した、ドットインパクトプリンターに印刷を指示するための制御コード体系)の各スプール印刷で新たにプリンター定義ファイルも利用でき、大容量の印刷時にメインフレームの負荷の軽減が図れるとしている。

また、Windows プリンタドライバーを利用したGDI印刷にも対応しており、使用するプリンターごとにフォント指定などの制御設定することなく、印刷することも可能。定型フォーマットでの帳票出力など、印刷業務がある企業にとって端末エミュレータ買い替えの際にもスムーズな移行を実現するという。

  • システム概要図

    システム概要図

主な特徴として「IBM i 向けプリンター定義ファイルの互換性を強化」「Windows 10 大型アップデートに対応」の2点を挙げている。

互換性の強化については、PCFファイル(TCPLink 日本語5250 エミュレータ独自の印刷コマンドファイル)、またはIBMPDFファイルに記述された定義内容に従い、プリンタ制御コードをプリンタへ出力することで、ダイレクト印刷し、ローカルコピーの印刷にプリンタ定義ファイルを利用できるという。

Windows 10の大型アップデートに関しては、Windows 10 April 2018 Update(バージョン1803)に対応している。価格は税別で5万2000円~。同社では2020年までにTCPLinkシリーズ全体で年間10億円の売り上げを目指す。