映画「劇場版ポケットモンスター みんなの物語」の一場面(C)Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku (C)Pokemon (C)2018 ピカチュウプロジェクト

 言わずと知れた人気ゲーム「ポケットモンスター」シリーズ。毎夏公開され人気を博している劇場版アニメの第21作「劇場版ポケットモンスター みんなの物語」が13日から公開される。これまで監督を務めてきた湯山邦彦さんがアニメーションスーパーバイザーを務め、新たに矢嶋哲生さんを監督に迎えた“新世代”の作品だ。

 世界一のポケモンマスターを目指すサトシと相棒のピカチュウが訪れたのは、人々が風と共に暮らすフウラシティ。伝説のポケモン、ルギアも現れるという1年に1度の“風祭り”に参加したサトシは、5人の仲間たちと出会う。5人がそれぞれ悩みを抱える中、“風祭り”でにぎわう街に思わぬ事件が巻き起こる……。

 恒例のゲスト声優は、芦田愛菜さん、川栄李奈さん、濱田岳さん、大倉孝二さん、野沢雅子さんで5人の仲間の声を担当。記者はずいぶん長いことポケモン映画を見てきたが、これまでで一番作品にマッチしている。仲間たちもそれぞれ丁寧に描かれているため出番も多いのだが、野沢さんはもちろん、他の俳優陣の声の演技にも違和感を感じることはなかった。

 おなじみのポケモンプレゼントは、今回重要な役割を担う幻のポケモン、ゼラオラ。劇場入場者プレゼントとしてアーケードゲーム「ポケモンガオーレ」で遊べる「ゼラオラ」のスペシャルディスクももらえる。なお、ゼラオラは昨年発売された「ポケットモンスター ウルトラサン・ウルトラムーン」でもらえる。「ポケットモンスター サン・ムーン」など他のタイトルではもらえないので注意したい。

 サトシとピカチュウの絆を一から描いた昨年公開の「キミにきめた!」から1年。「みんなの物語」のタイトル通り、本作はさまざまな年齢、立場の人たちにスポットが当たっている。市長の娘でゼラオラと関係がある少女ラルゴ、ポケモン初心者で、あるトラウマを抱える女子高生のリサ、自信が持てないポケモン研究家のトリト、うそがやめられなくなってしまった中年男のカガチ、ポケモン嫌いのおばあさん、ヒスイ。5人の仲間は、それぞれ異なる悩みや葛藤を抱えている。見ている人も5人の中の誰かに感情移入できるのではないだろうか。

 そしてサトシはこれまでの作品と違って、明らかにポケモン中級者から上級者として描かれているのもポイント。ベテランだからこそできることで事件解決に臨んでいるし、これまでよりもぐっと頼りになる主人公だ。サトシとピカチュウの出会いから描いた前作はさておき、それまでの毎年変わっていない姿から比べると、ひょっとすると古くからポケモンに親しんでいる人にとっては一番親近感が湧くのでは。中学生のころにポケモン第1作を遊び、サトシと一緒に成長してきた矢嶋新監督だからこそのサトシ像なのかもしれない。(立山夏行/MANTAN)