国立がん研究センター(国がん)と庄内地域産業振興センター、および細胞科学研究所は、がんメタボローム研究推進支援事業において共同研究契約を締結し、「がんの代謝研究に必要な細胞培養用培地の研究開発」に取り組むことを発表した。研究実施予定期間は、2018年7月1日〜2021年3月31日まで。

現在、がん細胞の培養時に使用されている細胞培養用培地は、培養細胞の増殖・維持に適した培養組成となっているが、生体内のがん微小環境の栄養状態とは乖離した組成と考えている。そこで、国立がん研究センター・鶴岡連携研究拠点が保持しているメタボローム解析データ等のリソースを用いて、より生体内の環境に近い培地の組成を同定し、培地の製品化を目指すという。

さらに、がんの代謝研究の知見を活かして、がん細胞の増殖を最大限に誘導する培地組成を同定し、がん細胞用の新規培養液として製品化を目指す共同研究を実施するということだ。

なお、細胞科学研究所は、幹細胞等を細胞外で培養する培地の作製および販売を行っている企業。今後、がんの代謝研究に必要な細胞培養用培地の新規開発を目指し、がんの代謝研究を推進している国立がん研究センター・鶴岡連携研究拠点において、生体内の代謝環境を反映するがんの網羅的な代謝解析を実施するとしている。