阪急阪神ホールディングス傘下のアイテック阪急阪神と、GISシステム構築用ソフトウェアの開発を行うドーンは、予め撮影した列車の走行動画や軌道内設備の状況など、鉄道沿線の保守や安全確認に関する情報を電子地図にリンクさせ、管理できる「走行動画閲覧・検索システム」を開発したことを発表した。

  • 走行動画の表示イメージ(国土地理院電子国土基本図をもとに作成)(出所:ニュースリリース※PDF)

    走行動画の表示イメージ(国土地理院電子国土基本図をもとに作成)

このたび開発された「走行動画閲覧・検索システム」は、走行する列車の運転台などに設置されたカメラから沿線状況を撮影した動画や、設備情報(駅・橋梁・信号などの管理情報や画像など)をGIS(地理情報システム)上で管理でき、GPS情報を基準に走行動画・設備情報の検索や情報追加を行えるもの。

これらの機能は、ドーンのGIS基盤技術を採用することで実現に至ったものであり、走行動画は4K画像と、パノラマ画像など複数の形式の動画や、撮影時期の異なる同一箇所の動画をまとめて管理しておくことが可能である。

また、スマートフォンなどで撮影した写真と撮影場所のGPS情報を連動させて自動的に地図上に表示する機能も備え、作業現場における周辺状況の共有を容易に行える。登録情報(走行動画・設備情報)の閲覧・検索機能と併せ、鉄道事業者による工事計画や保守点検への活用が期待できるということだ。

近年、鉄道事業者のICT活用が進んでおり、輸送の安全確保や作業安全、設備改良などの課題の解決に期待が高まり、IoT化の進展も予想される。両社は今後も、さまざまなSpatial-IT(空間情報技術)を融合した革新的なソリューションの展開を積極的に進め、安心安全な社会の実現に貢献していくとしている。