TrendForceは7月2日(現地時間)、2018年第3四半期は、DRAMのビット出荷数は前四半期比4.8%増となる一方で、ピークシーズンに向け平均販売価格も上昇が続くため、同四半期のDRAM市場は、過去最高の規模となる可能性があるとの予測を公表した。

「DRAMサプライヤ各社は、1Xまたは1Ynmプロセス品のDRAMの製造比率を上昇させており、第2四半期のビット成長率は前四半期比3.2%増と伸びたものの、ユーザー側のDRAM在庫は安全な水準に達しておらず、その結果、第3四半期も在庫の積み増しに向け、強い購買意欲を見せることから、平均販売価格も上昇する」と、同社のシニア調査ディレクターであるAvril Wu氏は見通しを示しており、アプリケーションの観点から同四半期のDRAM価格上昇は、サーバDRAMとモバイルDRAMの需要増に起因するとしている。

中でもサーバDRAMの需要は同四半期に着実に増加すると見られ、サーバの一次(First-tier)サプライヤに出荷される主流サーバ向けモジュール価格は、前四半期比1~2%ほど上昇する可能性があるという。

また、モバイルDRAMは、ハイエンドのAndroidスマートフォンで高容量のLPDDR4の採用が増加しており、これが平均販売価格の上昇を後押ししているという。さらに、そうした次世代スマートフォンのDRAM容量は6GBまたは8GBと増加しており、LPDDR4とeMCP LPDDR4ともに供給が不足していることから、同四半期のモバイルDRAM価格も1~2%ほど上昇する可能性があるとしている。

一方、グラフィックスDRAMおよび民生用DRAMについては、仮想通貨のマイニング需要の減少により衰える可能性があり、特に、グラフィックスDRAMは、2018年上半期に上昇した価格が、下半期には下落に転じる可能性が高いという。

なお、DRAMサプライヤ各社は継続してプロセスの微細化を進めていくことが期待されることから、ビット出荷数は今後数四半期にわたって継続的に増加することが見込まれており、需要と供給のバランスが整うことで、第4四半期以降のDRAM価格は上げ止まる可能性もあるとしている。