OKIと早稲田大学人間科学学術院は、無理なく生活習慣の改善を促すことができる「健康増進プロンプトシステム」を開発したと発表した

開発した「健康増進プロンプトシステム」は、利用者の行動と意識に変化をもたらすよう通知タイミングとメッセージ(プロンプト)の内容を決定し、スマートフォンにリアルタイムに情報提示を行うもの。たとえば、昼時前に、「腹八分目、食べすぎ注意」「野菜を採りましょう」といったメッセージが送られるという。

  • 健康増進プロンプトシステムの構成

早稲田大学は、長年にわたる健康行動変容の学術研究で得られた知見をベースに、「行動変容技術」上で実装する利用者の属性条件(性別、肥満度、多忙度、体力)、行動条件(歩数、位置)、および利用者周辺の環境条件(時間帯、天候)に応じて、通知タイミングおよびメッセージの内容を設計し、実証実験による効果検証を行ってきた。

両者は、早稲田大学の健康行動変容に関する学術研究の成果を利用した「行動変容技術」を開発し、これを活用した日常生活を健康的かつ長期的に変化させるための「健康増進プロンプトシステム」を構築し、早稲田大学による実証実験に参画した。

およそ1カ月間の実証実験によって、行動変容ステージの後期ステージに含まれる利用者の割合が食習慣に関しては55%から73%へ増加。今後期間を伸ばした実験を行い、短期間では見極めにくい運動への効果も含めて確認していく予定だという。また、人間の行動について「できる」という見込み感であるセルフエフィカシーの活性化が有意または有意傾向であり、質問調査票による調査変数(質問票による被験者からの回答を数値化した値)が、運動、食習慣ともに上昇していることが確認されたという。

今後は、自治体や企業の健康増進プログラムや、ドラッグストアやスポーツジムの会員向けサービスへの展開を検討し、実証実験パートナーやソリューションパートナーとの連携をすすめ、さらに利用者の状況に対して適合度が高い支援情報をタイミングよく通知する技術の開発や、健康増進以外の領域(たとえば働き方改革で従業員の就業に対する行動を変容させるなど)への適用を目指していくという。