クラウド会計ソフトなどスモールビジネス向け事務管理サービスを展開するfreeeは7月2日、事業戦略発表会を開催。今後の事業戦略と新サービスを発表した。

  • freeeの代表取締役である佐々木大輔氏

freeeは2013年にクラウド会計ソフト「freee」をリリース。以降、会社設立に必要な事務作業をサポートする「会社設立 freee」、企業の労務手続きや給与計算を支援する「人事労務 freee」をはじめ、ERP、マイナンバー管理、開業支援など様々なバックオフィス支援のサービスを展開しているほか、金融機関や外部サービス、会計事務所などとの連携も推進してきた。

登壇した代表取締役の佐々木大輔氏によると、サービス開始から5年で導入事業所は100万を超え、クライド会計ソフト市場におけるシェアは35%にのぼるという。また、連携している金融機関・外部サービスは3637、パートナー会計事務所は5390だという。

  • freeeが連携している外部サービス・金融機関・パートナー会計事務所

佐々木氏は、こうしたこれまでの実績を振り返りながら、「これまでの5年間で実現したことは、“freeeを使うとバックオフィス業務が楽になる”という価値。freeeを使用しているユーザー事業者の中にはバックオフィス業務の負担が20分の1にまで削減することができたという事例もある」と評価した上で、freeeによる業務効率化が企業の業績にも良い影響を与えていると指摘した。

「最近は、freeeによって業務が楽になるだけではないインパクトが生まれている。例えば、毎月経営に関するレポートを閲覧しているユーザー事業者は72%が対前年比で増収している。そして、増収しているユーザー事業者は売上対前年比が約1.4倍を実現している。freeeは、時間を創出するだけではなくビジネスの収益も創出している」(佐々木氏)

少人数でビジネスを展開するスモールビジネスの場合、業務を推進する中で煩雑な経理業務や人事・労務業務を行う手間は大きな負担になる。しかし一方で売上、経費などの経営指標をリアルタイムに把握することは経営課題やビジネスチャンスの発見に繋がり、ビジネスを成長するために大きな役割を果たすことになる。

例えば、花屋や生花のネット通販、装花などのフラワービジネスを10名ほどの社員で展開するBOTANICでは、展開する事業ごとに売上管理やキャッシュフローを分けて経営判断に活用しているほか、POSレジと連携してリアルタイムに店舗売上の状況を把握。それにより、売上は3年連続で成長を続けているという。現在では、損益レポートなどの経営データを事業戦略の立案に活用しているという。

「BOTANICは小さい会社なので財務担当がいないが、必要なデータをレポート機能で閲覧しながら月ごとの売上のトレンドを常に追えることは、経営状況の把握や今後の経営判断をする上で重要な役割を果たしている。会社の成績表である財務データとストレスなく向き合って、今の会社の状況を定量的に把握できるのは非常に大きい」(代表の田中氏)

  • BOTANIC代表の田中彰氏