NTT東日本は6月28日、同社の通信ビルなどを使用した共同実証環境「スマートイノベーションラボ」を設立したと発表した。

  • スマートイノベーションラボのイメージ

    スマートイノベーションラボのイメージ

同ラボでは、同社が各地に保有する通信ビルやデータセンターなどを利用するエッジ拠点での閉域ネットワークを提供し、低遅延かつセキュアな通信環境を提供するという。

同ラボの中核となるNTT蔵前ビルでは、膨大なデータの高速処理が可能なGPUサーバやNTTグループのAI関連技術である「corevo(コレボ)」の学習高速化技術などのサーバ環境の配備に加え、パートナー企業や大学が共同作業できるスペース「スマートイノベーションルーム」を設置する。

  • 利用イメージ

    利用イメージ

通信環境のうち、エッジコンピューティング環境としては同社が保有する通信ビルまたはデータセンターでの低遅延の通信が可能な検証環境を提供。また、AWS(Amazon Web Services)などのパブリッククラウドやSINETとの直接接続可能な環境としては、閉域ネットワーク接続によるパブリッククラウドやSINETとセキュアな通信環境を提供する。

サーバ環境のうちGPUサーバでは、AIの学習に最適という専用サーバの配備により、AI学習に必要なデータの高速処理を可能としている。

さらに、corevoの1つであるNTT研究所の技術「高速オプティマイザ:Adastand」が利用できる。同技術は、AIにおける従来の学習アルゴリズムと比較して約2倍から5倍の高速化が可能なNTTソフトウェアイノベーションセンタが開発したディープラーニングの学習高速化技術となる。

共同作業スペースは「スマートイノベーションルーム」として、パートナー企業が快適に検証や議論を行うためのワーキングスペースを提供するという。なお。同社はスマートイノベーションラボを利用した共同実証を行うパートナー企業および大学を幅広く募集する。