テレダイン・レクロイは、これまでオープンソースやシェアウェアで対応できていなかった、USB Type-C向けの低価格のアナライザ「Mercury T2P」を発表した。同製品は、有償アップグレードによりVBUSやDisplayPortの計測機能を追加でき、USB 2.0 のプロトコル・アナライザ機能に加え、Type-C 通信の観察が可能となっている。

  • USB Type-C向け低価格のアナライザ「Mercury T2P」

    USB Type-C向け低価格のアナライザ「Mercury T2P」

テレダイン・レクロイが提供する電力観察ツールは、スマートフォンやHDD、プリンタ、ノートPC、ディスプレイなどUSB による電源供給機器が飛躍的に拡大する中、パワーデリバリ(PD) 電源機開発において中心的役割を担っている。

Mercury T2Pのパワートラッカ機能は、VBUS、VCONN上を流れる電流/電圧値を測定することができ、グラフ化する。Type-C CC(コンフィグレーションチャネル)上の通信と同期しているので、PDメッセージとの整合性を検証し、規格に準じた安全な機器であるかを確認できるという。

同社のUSBプロダクトマネージャーであるMike Micheletti氏は、次のように述べている。「Mercury T2P アナライザは、1997年以来USB 開発シーンに画期的なツールを提供し続けてきたテレダイン 技術の結集です。パワートラッカがもたらす直感的で正確なグラフィカル表示機能は、信用のおけるツールを必要とするエンジニアにとって基準となりつつあります。この高度な機能をエントリーモデルに投入したことで、慎重を要するパワー計測にフリーソフトやシェアウェアで妥協する必要がなくなりました。」

Type-Cオルタネートモード上で最も普及しているのはDisplayPort(DP)である。Mercury T2Pは、DP Auxiliary channel(Config メッセージを含むAUX チャネル)メッセージがデコードでき、DP接続性のトラブルシュートに活躍する。オルタモードコマンドを含み、ソース/シンク間のPD 3.0プロトコル情報の採取もライセンス追加で完全にサポートされる。複雑なデバイスクラス表示や階層表示、レポート機能、サマリ提供などは上位機種Voyagerと同様となっている。

なお、Mercury T2Pシリーズの主な内容は、型番「USB-TMAP2-M03-X」がUSB 2.0、Power Deliveryプロトコル・アナライザ、パワートラッカ機能を備え54万円〜。「USB-TMSP2-M03-X」のパワートラッカ機能。また、Mercury T2P用オプションとして、Power Delivery(PD)解析オプションの「USB-MCPD-M02-A」、Type-C オルタネートモードのデコード・オプション「USB-MCDP-M03-X」がそれぞれ10万円で用意される。