斉藤ノヴと夏木マリによる「途上国の子供たちへの支援活動」10年の軌跡

斉藤ノヴと夏木マリとが2009年に立ち上げた、途上国の子供たちに未来の仕事を贈る活動「One of Loveプロジェクト」。キックオフから10年目を迎え、『One of Loveプロジェクト GIG 10YEARS WITH』がマイナビBLITZ赤坂にて開催された。仲井戸”CHABO”麗市、泉谷しげる、土屋アンナ、シシド・カフカを始め、今回初参加となった加藤ミリヤ、 Zeebra & DJ CELORY a.k.a. Mr.BEATS等が集った。

「途上国の子供たちに音楽を届けたい」ーー斉藤ノヴと夏木マリが途上国を旅したことよって誕生した「One of Loveプロジェクト」。初めに訪れたエチオピアでバラの花と出会ったことがきっかけで、彼らの好きな「音楽」と「バラ」をテーマに活動を続けてきた。単に募金で集まったお金を支援国に贈るのではなく、子供たちの教育環境、その母親でもある働く女性たちの雇用整備の向上を目指し、毎年お金ではなく彼らなりの「必要なモノ」を贈り続けている。「世界音楽の日」に認定されている6月21日に毎年GIG(ライブ)を開催し、チケットの収益や会場の物販、本プロジェクトのために誕生した唯一無二の赤い薔薇「マリルージュ」の販売収益から、支援先のリクエストに応じて年単位で物品を送っている。

2009年6月21日、プロジェクト立ち上げの発表会は、今は無き東京・六本木の「ローリングストーンカフェ」だった。ライブハウスでもない小さな会場で、斉藤ノヴと夏木マリ、そして彼らの友人の仲井戸”CHABO”麗市によるライブが開催された。あれから10年ーーー。場所はマイナビBLITZ赤坂という大きな会場へ移り、これまで数多くのミュージシャンが参加してきた。今年は、10年目ということもあり『One of Loveプロジェクト GIG 10YEARS WITH』と題し、土曜日である6月16日にGIGを開催。出演者は、本プロジェクトのキックオフメンバーでもある仲井戸”CHABO”麗市。昨年に続き4度目の出演となる泉谷しげる。2016年に結成したWOMANS CHORUS UNIT「and ROSEs」より、土屋アンナ、シシド・カフカ。そして、今年初参加となる加藤ミリヤ、 Zeebra & DJ CELORY a.k.a. Mr.BEATS。これだけでも豪華だが、一夜限りの貴重なコラボレーションが幾つも実現した。

俳優、シンガーソングライターとしても活躍する、岸洋佑の演奏で幕開け。 アコースティックギター1本で福山雅治のカヴァー「HELLO」とオリジナル曲「海辺のコンパス」 2曲を演奏し、しっかりとオーディエンス 心をつかんだ。続くトップバッターとしてZeebra & DJ CELORY a.k.a. Mr.BEATSが登場。プロジェクト史上ヒップホップ勢の出演は、Zeebraが初めてだ。だが、そこは百戦錬磨、日本HIP HOP界の顔、Zeebra。1曲目「Lets Get It Start」からオーディエンスを沸かせ、両手を挙げさせクラブの様に盛り上げる。3曲目に「SAVE THE WOLRD」でしっかり メッセージすると、5曲目に代表曲「STREET DREAM」を投下。オーディエンスと”One Of Love” コール&レスポンスを巻き起こした。そして、ここでこの日最初のコラボが実現。Zeebraが加藤ミリヤを呼び込み「My People」を2人で披露すると、会場は大いに沸いた。

Zeebraが大きな拍手に包まれステージを去ると、加藤ミリヤのパートがスタート。「SAYONARAベイべー」に続き、6 月20日に発売されるニューアルバムの収録曲「新約ディアロンリーガールfest.ECD」を披露。圧倒的なヴォーカルで会場を魅了した。そして、ここで加藤ミリヤが夏木マリを呼びこみ、今宵2つ目のコラボレーション。大ヒット曲「Love Forever」がデュエットとして実現した。加藤ミリヤに続いてこの日GIGを支える「One of Love Special Band」による演奏へ。チック・コリア 「Spain」で腕利きミュージシャンたちの実力を見せつけた。

続いて 、映像により、昨年度 支援報告がされた。素晴らしい演奏後だと、みんな 心の扉が開いていて、映像による支援 報告をオーディエン全員が熱心に見ていたが印象的だった。



3人目は、シシド・カフカが登場。シシドの激しいドラムがメインのインスト曲で会場の空気が一変した。かと思うと、2曲目には、ポップ なヴォーカル曲「特選」を披露し、たった2曲でオーディエンスの心を鷲掴みした。なんとここで泉谷しげるが登場し、今宵3つ目のコラボへ。MCで泉谷がシシドの熱演に「どうせ俺たちの金は支援に回るんだから、カフカ、もっと手抜きをしなさい!」と絡んだ後に、2人で「羽田ブルース」を演奏したが、演奏が始まるとシシドに負けない熱演を泉谷が見せつけた。


そしてそ まま泉谷のステージへ。「黒い鞄」と「春夏秋冬」 2曲をアコースティックギター1本で演奏したが、圧倒的な熱演でオーディエンスの心に迫った。実は開演前に泉谷 、「貧しい子供たちを前面に出して同情を買うんじゃなく、俺たちミュージ シャンの演奏で、心をつかみたい」と言っていたが、まさに有言実行となった2曲で、泉谷らしい支援の仕方を見せつけた。

泉谷の熱演に続いて、加藤ミリヤ、シシド・カフカ、土屋アンナ、夏木マリ 女性陣による東日本大震災のための曲「紅のプロローグ」が仲井戸”CHABO”麗市を迎えて演奏された。束の間、女性陣の温かく優しい歌が会場を包んだ。 そのまま、土屋アンナのパートへ。激しい「rose」とバラード 「黒い雨 」を熱唱し、MCで支援活動を続けている夏木・斉藤へリスペクトを何度も口にした。

そして、いよいよトリ 仲井戸”CHABO”麗市が登場し「ま、いずれにせよ」をいきなり熱演。2曲目から コラボを立て続けに見せてくれた。先ず、土屋アンナを呼んで「Hey Paula」というオールディーズ カヴァーをデュエットで披露。続いて 泉谷しげるを呼び込みRCサクセション カヴァー「いい事ばかりはありゃしない」を演奏。CHABO&泉谷のRCに会場はオールスタンディング。最後に夏木マリを呼び込み、CHABOが夏木に書いたご機嫌なR&Rナンバー「キャデラック」を演奏し本編を終了した。 興奮冷めやらぬステージに、出演者全員がステージに揃い、プロジェクトのテーマ曲でもある「One Of Love」を最後に出演者全員で歌い幕を閉じた。

夏木はこの日MCで、10年この支援活動が続けてこれた、賛同してくれるミュージシャン、そしてスタッフ、何よりも会場に足を運んでくれるオーディエンスのお陰だと感謝の言葉を何度も述べた。また終了後「10年、このGIGを続けてきて、自分自身色々な音楽に出会えた。お客さんもアーティストもコラボが楽しいと言ってくれた。これからもいろんな音楽を楽しんでもらえるような場を作って行きたい。プロジェクト自体は、もっとバラの花を覚えてもらわなくてはならないし、11年目からまた新たに気を引き締めて活動を続けていきたい。今日のGIGは、私自身とてもメモリアルな1日になった」と、ローリングストーン誌に語ってくれた。

色々な支援の形があるが、この斉藤と夏木が目指す「音楽」を通じての支援活動、新たな11年目にも注目して欲しい。


One Of Love
http://www.oneoflove.org/