米ジュニパーネットワークスは6月12日(現地時間)、新たな「MXシリーズ5Gユニバーサル・ルーティング・プラットフォーム」を発表した。

新プラットフォームは「MXシリーズ」プラットフォームの第5世代目となり、キャリア、クラウド、エンタープライズのユーザー企業が次世代のサービスを提供する上で必要となる技術上、およびビジネス上の進化に対応できるよう、ソフトウェアとハードウェアを基盤としたネットワーキングテクノロジーを組み合わせている。

SDN(Software- Defined Networking)対応管理制御ソフトウェア「Contrail」の包括的な自動化とソフトウェア管理オーバーレイ機能は、MXのサブスクライバー管理、SPRING、リアルタイム・パフォーマンス監視のテレメトリデータと併せて利用することで、セキュアで自動化した分散型クラウド環境において、サービスの創出と拡張をシンプルにするという。

同プラットフォームには、プログラマビリティを可能にする新たなシリコン「Juniper Penta Silicon」を利用。同シリコンは、次世代サービスに最適化したという16nmのパケット転送エンジンとなる同シリコンは、既存の「Junos Trio」チップセットと比較して50%の電力効率向上(ギガビット当たり0.5ワット)を実現。

パフォーマンスを損なうことなく、数千のIPSecセッションを開始/終了可能なMACsecおよびIP-Secのクリプト・エンジンをネイティブサポートしており、エンドトゥエンドの大規模な接続性をセキュアに提供するほか、Flexible Ethernet(FlexE)にも対応している。

また、高い性能と拡張性、幅広い選択肢を実現するハードウェアアクセラレータを持つオープンな5GのC/U分離(CUPS)を採用。MX 5GのCUPSはハードウェアの高速化を可能とし、サービスプロバイダが5Gの導入を進める中で、3GPP CUPSによってパケットコアをユーザープレーン(GTP-U)とコントロールプレーン(GTP-C)に分離可能になるという。

標準化したSxインタフェースでそれぞれ個別に拡張できるため、柔軟性の向上と投資の保護を実現し、同一プラットフォームでのコンバージドサービス(無線および有線)を提供すると同時にサードパーティ製5Gコントロールプレーンと統合でき、実際に導入するMXシリーズのTCOはソフトウェア基盤のユーザープレーン導入に比べ、3分の1から4分の1まで低減を可能としている。

さらに、運用の簡素化と経済性、俊敏性の向上を目的に「Universal Chassis (ユニバーサルシャーシ)」を設計。Universal Chassisは昨年発表したデータセンター、コア、ネットワークエッジを単一のハードウェアプラットフォームで標準化できるクラウド向けのシャーシ。

すでに、ルータ「PTX」およびイーサネットスイッチ「QFX」に搭載し、今回、Universal Chassisファミリにルータ「MX10008」「MX10016」が加わった。

  • 左から「MX10008」「MX10016」の外観

    左から「MX10008」「MX10016」の外観

Universal Chassisファミリは、シングルシャーシ設計によるインベントリ管理における複雑さを80%軽減。13-RUのMX10008および21-RUのMX10016は、それぞれ19.2Tbpsと38.4Tbpsであり、省スペース性を実現するという。

各製品の発売予定時期は、MX10008およびMX100016が2018年下半期、Juniper Penta Siliconを搭載するMX960/MX480/MX240向けのラインカードは2019年第1四半期を予定。また、新たなCUPS対応は2019年上半期に提供開始を予定している。