新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は7日、富士クリーンがNEDOプロジェクトにおいて、国内初の縦型乾式メタン発酵施設を備えたバイオマスプラントを、香川県綾川町の同社敷地内に完成させたことを発表した。

  • 縦型乾式メタン発酵施設の外観

    縦型乾式メタン発酵施設の外観

NEDOでは、地域の特性を活かしたバイオマスエネルギーの健全な導入を促進するためのプロジェクトを実施している。富士クリーンは、同プロジェクトにおいて、2015年4月から約1年間、混合系バイオマスによる乾式メタン発酵技術を適用したバイオマスエネルギー地域自立システムの事業性評価を実施してきた。

事業性評価では、地元香川県の特徴を生かしたバイオマス原料の調達やエネルギーの供給と副生成物の利用について、地域の企業・行政と協力し、地域内でのバイオマス原料の調達からエネルギーの生成、利用までを含めたバイオマスエネルギー地域自立システムの実現可能性の検討を実施した。その後、2016年8月から実証フェーズに移行し、システムの設計や必要となる設備など検討を進めてきた。

そして今回、富士クリーンは、同社の廃棄物中間処理施設敷地内(香川県綾川町)に、国内初となる縦型乾式メタン発酵施設を備えたバイオマスプラントを完成させた。同施設では、近隣地域の生活ごみなどの一般廃棄物に加え、食料残渣や家畜糞尿、下水汚泥・紙ごみおよび難処理古紙類などの多様な産業廃棄物を73トン/日の規模で受け入れ、それらを原料に3,000m3規模の国内最大のメタン発酵槽でバイオガスを生成し、同社内に熱電併給することでエネルギーを有効活用する。今後試運転を行い、2018年10月から実証運転を開始する。

  • バイオマスシステムの全体フロー

    バイオマスシステムの全体フロー

同社は、今回の取り組みを通じ、廃棄物の資源化によるリサイクル率の向上や、温室効果ガス排出量の削減(年間約1万トンのCO2削減効果)など、環境負荷の低減を実現する地域に根ざしたバイオマスエネルギーシステムの構築を目指す。また、周辺地域に対しても、雇用の創出、産業の活性化、環境教育の推進など、地域の社会インフラサービスの充実に貢献することを目指す。具体例には「ごみをエネルギーに変える」をテーマに、子どもから大人まで地域住民への幅広い環境教育の場として本施設を開放する予定だとしている。