PSソリューションズと伊藤忠飼料、およびCKDは、国内の畜産分野における課題解決に向け、農業向けIoTソリューション「e-kakashi」の技術をベースにした養鶏IoT（スマート養鶏）サービスを開発し、2018年秋から提供を開始すると発表した。

養鶏IoTサービスは、「開放鶏舎」と呼ばれる形態の鶏舎に対し、各種IoT機器を取り付け、温度・湿度・二酸化炭素・酸素・アンモニアなどのデータをクラウドサーバーへ24時間365日送信することで鶏舎内環境を記録する。これらのデータはスマートフォンやタブレットなどのモバイル機器から閲覧することができる。

また、空調を管理するカーテンに設置されている手動巻き上げ機をIoTモーターに交換するだけで、モバイル機器から遠隔操作で開閉が可能となるという。将来的には水やガスなどの流体制御を遠隔地から行えるようにすることで、管理作業の省力化や労働生産性向上を図る。

そのほか、体重や、へい死数などをモバイル機器から入力でき、飼養成績と作業者の行動履歴、鶏舎内環境データの一元管理が可能で、蓄積したデータをAIで分析し、ノウハウを見える化する。

PSソリューションズとCKDは、IoTセンサーによるビニールハウスなどの園芸施設の温湿度の把握、カーテン制御や水田・畑・温室での灌水（水やり）を遠隔制御・自動化する機能を実装した「e-kakashi」第2世代サービスを、2017年10月に発表。今回発表するシステムは、これらの要素技術を養鶏分野に応用したもので、現在、伊藤忠飼料研究所（栃木県那須塩原市)にて実証実験を行っているという。

システム価格（税別）は、IoTセンサーが測定項目により数千円～数万円/台、IoTモーターが月額利用料金：1万8,000円/1棟2機、システム利用料が月額8,000円/1契約。