三菱電機 執行役社長の杉山武史氏

三菱電機の杉山武史社長は、2018年5月21日、「2018年度 経営戦略説明会」を行い、「2020年度までの成長目標達成に向けて、もう一段高いレベルの成長に取り組む。さらに、2020年度以降の成長持続に向けて投資成果を最大化する」などとした。

同社は中期経営計画として、創業100周年を迎える2020年度までに達成すべき成長目標として、「連結売上高5兆円以上」、「営業利益率8%以上」を掲げているほか、継続的に達成すべき経営指標として「ROE10%以上」、「借入金比率15%以下」に向けた取り組みを行っている。

先頃発表した2017年度の連結業績は、売上高が前年比4.5%増の4兆4311億円、営業利益は18.0%増の3186億円、税引前利益は23.1%増の3645億円、当期純利益は29.2%増の2718億円となった。営業利益率は7.2%。売上高および営業利益は過去最高となっている。

また、2018年度連結業績見通しは、新たにIFRSを採用するため2017年度の実績値とは直接比較はできないが、売上高は前年比1%増の4兆5000億円、営業利益は4%減の3150億円、税引前利益は2%減の3450億円、当期純利益は5%減2450億円を目指す(前年比はIFRSベースから算出)。杉山社長は、「為替影響を除くと、売上高では3%増、営業利益では6%増になる」とした。

技術・事業シナジーの発揮を拡大

これまでの実績を振り返りながら、杉山社長は、「成長牽引事業群を中心とした積極投資と事業ポートフォリオの強化に続き、刈り取りの最大化、目標に到達しない低収益事業の改善のほか、技術シナジーおよび事業シナジーの発揮を拡大し、2020年度移行の成長持続に向けた投資を行っていく」と、今後の基本姿勢を述べた。

  • 2020年度には5兆円以上の売上高を目指す

欧米や中国に加えて、インドやASEANなどの新興国市場への事業拡大、電力や交通、ビルでのアフターサービス事業の強化、自動車機器やパワーテバイスなどの車両電動化対応機器の拡大のほか、IoT活用による製造コストの改善、業務効率の向上などにも取り組む。