藤田美術館【大阪府】

国宝9件、重要文化財52件を含む、2,111件の東洋の古美術品。どれも明治の実業家、藤田傳三郎氏とその息子、2代3名が収集した貴重な逸品ばかり。これらを収蔵するのが「藤田美術館」です。常設展示は行っておらず、年に2シーズンのみ、テーマに合わせた収蔵品を公開する「春季展」と「秋季展」を開催。

‟天下の名碗”や古代の歯車など、ここでしか見られない逸品を展示


関西を中心に活躍し一大財閥を築いた藤田傳三郎氏は、茶の湯にも精通していました。収蔵品には茶道具も多く、なかでも国宝の「曜変天目茶碗」は、“天下の名碗”といわれています。 同種の茶碗は中国で製造されましたが、わずか3点が日本国内に現存するのみ。いずれも国宝に指定されています。特徴は釉薬の絶妙な変化で現れる「曜変」という瑠璃色の斑紋。宇宙に星が瞬いているような美しい輝きを放ちます。さらに、こちらの品は、かつて徳川家康が所持していたもの。その由来も大変貴重です。 茶道具以外にも、金工、絵画、彫刻、書蹟など収蔵品は多分野にわたります。古墳時代の遺物もあり、重要文化財の「歯車形碧玉製品」は、その名の通り歯車の形をした大型の石器で、ほかに例のない珍しい逸品です。 藤田邸は大阪大空襲で大部分が焼失。無事に残った蔵を改装した展示室や、庭園の多宝塔なども歴史的な価値がある貴重なものです。 展示会はいずれも年に3カ月ほど開催される「春季展」と「秋季展」のみ。収蔵品の何が鑑賞できるかは、企画展の内容によりますが、どれも見ごたえ十分。東洋の至宝の数々をぜひ堪能してみてください。 (写真は毎年2月11日の伊勢神社大祭に催される福餅投げの一場面)