JAFは15日、「車内での日焼け」に関する調査として、車種や窓により異なる紫外線のカット率を検証した結果を公開した。

  • テスト車として使用された4台

今回の実験では下記の4台を使用し、2つのテストを実施した。
・オープンカー(2016年式 マツダ ロードスター):直射日光をまともに受ける状態(比較用)
・クリアガラス装着車(2006年式 ダイハツ エッセ):UVカット機能はなし
・UVカットガラス装着車(2017年式 日産 キューブ):約90%紫外線をカットする
・スーパーUVカットガラス装着車(2018年式 トヨタ アルファード):約99%紫外線をカット。近年採用され始めている

  • テスト1:ガラスの種類別の紫外線強度は?(UV計測器によるテスト)

1つめに行われたテストでは、ガラスの種類別に紫外線強度をチェックした。車によってガラスごとに紫外線カット率が異なるため、各ガラス(フロントガラス、前席ガラス、後席ガラス、リアガラス)に日差しが当たるように車の向きを変え、紫外線強度をそれぞれ計測。

  • テスト1の結果一覧

その結果、フロントガラスに関しては、オープンカー以外全て1桁以下の低い数値を示した。フロントガラスは、約30年前にフィルムを挟んだ合わせガラスの使用が義務化され、紫外線をカットする機能が備わっているためである。

フロント以外のガラスでは、UVカット機能の有無で明らかな差が見られた。「UVカットガラス」が275μW/cm2以下という結果だったのに対し、「クリアガラス」の前席やリアガラスは1,000μW/cm2を超える数値を記録。一方、「スーパーUVカットガラス」は4カ所全てで1μW/cm2と、“99%紫外線カット”を裏付ける結果を残した。

  • テスト2:各車の運転席(右側)の紫外線の強さは?(UVラベルによるテスト)

続いては、紫外線の強さによって色が変化する「UVラベル」を使って、各車の運転席(右側)における紫外線の強さを30分間確認した。

  • テスト2の結果一覧

UVラベルを右腕に貼ったモニターが各車両に乗り、その色の変化で紫外線の強さを比較。オープンカーは3分30秒、「クリアガラス」は16分30秒で赤く変化するという結果が得られた。計測スタートから30分経っても、「UVカットガラス」ではわずかな変化しか見られず、「スーパーUVカットガラス」は最後まで色の変化が見られなかった。

  • 紫外線対策グッズの効果も検証

同調査では、UVカット機能のないガラスで紫外線対策グッズの効果も検証した。今回使用したグッズは、「サンシェード」「UVカットフィルム」「UVカット液剤」の3種。サンシェードは後部座席にしか使用できないが、フィルムと液剤は前席でも使用できるものをセレクトした。

モニターの顔付近でグッズ使用前後の紫外線強度を計測した結果、「サンシェード」は570μW/cm2から24.3μW/cm2、「UVカットフィルム」は771μW/cm2から24.3μW/cm2、「UVカット液剤」は720μW/cm2から339μW/cm2と、それぞれ5~8割ほど紫外線強度を減少できることがわかった。

  • スモークフィルムを貼る場合は透過率に注意しよう

なお、紫外線や日差し対策でスモークフィルムを貼る人もいるが、フロントガラスと運転席・助手席の側面ガラスは可視光線透過率が70%以上ないと違反になってしまう。透過率はガラスとフィルムを合わせた数値であるため、色の薄いスモークフィルムでも注意が必要だ。

※μW/cm2…紫外線の強度を示す単位