ネット定期の積み立てで、ワンランク上の貯蓄上手に

◆預け替えの手間いらず。有利な金利で積み立てる
財形貯蓄や確定拠出年金など、給与天引きで積み立て貯蓄ができていれば、次のステップとして、もっと有利なマネー商品はないかと考えるでしょう。そこで、いきなり投資を始めるのではなく、ワンランク上の積み立て貯蓄があるのをご存じですか?



貯蓄余力があれば、給与振込み口座で自動定期預金をするのも、ひとつの方法です。その場合、自動積立定期預金は、定期預金の店頭金利が適用されます。現在、大手都市銀行の定期預金の金利は、1年もので0.01%。

確実に貯蓄することを優先する段階では、金利よりも自動的に貯まることが大事とはいえ、もっとお得に貯めたいと思うのも人情。ある程度貯蓄の習慣ができた、貯蓄生活のペースがつかめてきた、という人は、やはり金利の高いもので少しでも有利に貯蓄したいですよね。そのときに、検討してほしいのが、以下の2つです。

1)メインバンクのネットバンキングを使う
2)ネット銀行の積み立て定期を使う


◆取引銀行のネットバンキングで積み立てする
一般的な銀行の自動積立定期預金は、給与振込口座から毎月自動的に振り替えられます。店頭扱いの自動積立定期預金とネットバンキングの積立定期預金は何が違うのでしょうか。基本的には同じ仕組みで、毎月一定額が普通預金口座から振り替えられ積み立てられます。違いはネットバンキングの口座を持っているかどうかです。

たとえば、三井住友銀行を例にすると、一般的に自動積立をする場合、勤務先近くか自宅近くの支店窓口で口座を開設し、給振口座として勤務先に申請します。この口座から毎月自動的に積み立てができるよう、支店窓口で申し込みます。

ネットバンキングは、同じ三井住友銀行でも、「SMBCダイレクト」というネットバンキングというサービスで、普通預金口座があれば、ネット経由で簡単に利用することが可能です。SMBCダイレクトの口座が開設できたら、ネットでその口座から毎月の自動積立の申し込みをします。金利自体は店頭金利と変わりがありませんが、ネットバンキング経由だと、提携特典があります。

旅行が積立の目的であれば、近畿ツーリストと提携した特典が利用できます。購入金額に1.5%分を上乗せした旅行券を購入できるので、金利以上にお得な旅行プランが組めるでしょう。そのほか、フランスベッドとの提携もあります。

目的が明確であれば、一般口座で積み立てをするよりも、こうした特典のある定期預金に注目してみるのも手。現在、給振口座で利用している銀行のネットバンキングでの特典を再度確認してみましょう。自動積立定期だけではなく、ネットバンキング経由なら振込手数料が安くなったり、WEB上での取引が可能になりますので、申し込んでおいてソンはないはずです。

◆ネット銀行の自動積立定期なら金利が高い
勤務先の給振口座で使えるかどうかにもよりますが、もっと有利に自動積立定期をするなら、最初からネット系の銀行に口座を開設することです。ただし、残念ながら、現在のところ、ネット系の銀行で自動積立定期ができるのは、ソニー銀行、イオン銀行、楽天銀行のみとなっています。

ネット系の銀行を利用する最大のメリットは、一般銀行より金利が高いこと。さらに、まとまったお金になったときに、次のマネー商品への乗り換えがラクということです。たとえばソニー銀行であれば、外貨預金や投資信託も候補になります。イオン銀行であれば、住宅ローン金利が安いので、頭金づくりとしても利用できます。楽天銀行であれば、グループ会社の証券との連携で投資への道筋がつけやすくなります。

給与振込口座に上記の銀行を指定できない場合は、自動入金サービスを使えば、自動的に振替を行ってくれますので、積み立てし忘れることもありません(上記銀行のうち、楽天銀行を除く)。

◆ソニー銀行の「積み立て定期預金」は、金利0.05%
●普通預金金利:0.001%
●積立定期預金金利:0.05%(1年もので運用)
●積立単位:1000円以上1000円単位


一般銀行の自動積立定期の金利は、1年定期で運用した場合、0.01%(2018年4月28日現在)なのに対して、ソニー銀行は0.05%。5倍もの差があります。ソニー銀行で円定期に預け入れする場合は1万円以上ですが、積み立てであれば1000円以上1000円単位でOK。勤務先で給振口座に指定できるなら、利用しない手はありません。

今のところ、預入金額によって、通常の円定期との金利差はないので、まとまった金額になっても、そのまま積み立てを続けてもいいし、一部解約して外貨預金や投資信託に回すなど、投資の入門商品にチャレンジするのもいいでしょう。

また、ソニー銀行には「MONEYKit」というサービスサイトがあります。資産やお金の管理ができる「人生通帳」や目標ごとにお金を分けて貯蓄できる「ほしいもの貯金箱」といったツールを利用して、楽しみながら貯蓄ができるのも魅力です。

◆イオン銀行は普通預金金利が100倍の0.10%
●普通預金金利:0.001%
●普通預金(イオンカードセレクト/キャッシュ+デビット/イオンデビットカード):0.10%
●積立定期預金金利:0.15%
●積立単位:5000円以上1000円単位


イオン銀行の自動積立定期は、0.15%かなりいい金利です。何よりも魅力的なのは、普通預金金利が、イオンカードセレクト保有者であれば、通常0.001%のところ、0.10%と実に100倍の金利に優遇されることです。毎月の積立は5000円以上1000円単位です。

また最近の傾向として、住宅ローン金利は業界最低水準を提示しています。イオン銀行で積み立てをしながら頭金を貯め、低金利の住宅ローンも利用するという使い方ができるでしょう。というのも、イオン銀行の住宅ローンは業界のなかでも常に最低水準の住宅ローン金利を提示しています。ネット系の銀行ではあるものの、イオンの一部店舗内にイオン銀行のリアル店舗がありますので、ネットは不安という場合でも窓口対応が可能です。

また、イオンのATMならATM手数料が365日24時間無料なので、身近にイオンがあれば検討してみてもいいでしょう。

◆楽天銀行なら、証券連携サービスで資金移動がラク
●普通預金金利:0.02%
●普通預金金利(楽天カードのカード利用金額の引落がある):0.04%
●普通預金金利(マネーブリッジ利用者):0.10%
●積立定期預金金利:0.03%(1年もの)
●積立単位:1000円以上1円単位


楽天銀行の特徴は、楽天証券との資金移動にかかわる連携サービスの利用によって金利優遇がある点。普通預金金利は、一般銀行の20倍の0.02%とそれだけでもオトクですが、証券連携のマネーブリッジを利用すると普通預金金利が0.10%と一般銀行の100倍に優遇されます。

普通預金口座からの振替で定期預金の積み立てができるようになりましたが、金利は1年もので0.03%(5年以上で0.04%)になるものの、マネーブリッジ利用の普通預金のほうが金利が高いという逆転現象が起きています。

確実にお金を貯めたいという場合は、一定額は積立貯蓄をし、残りのお金は投資の待機資金とする、という使い方がベターでしょう。

注意点としては、楽天銀行は他行からの自動入金サービスの取り扱いがないため、給与振込口座に指定できない場合は、自分で普通預金口座への入金が必要になります。

◆住信SBIネット銀行なら、目的別に5つの口座で貯蓄額を管理
●普通預金金利:0.001%
●普通預金(SBIハイブリッド預金):0.010%
●定期預金金利:0.02%(1年もの)
●定期預入単位:1000円以上1円単位


住信SBIネット銀行では自動積立定期預金の扱いがありません。しかし、SBI証券との連携サービスを使いたいという人なら、普通預金金利が通常の10倍、0.01%になるので、待機資金の預け先としても有利です。

ただし、給与振込口座に指定できない場合は、定額自動入金サービスを利用します。他行の自分名義の口座から住信SBIネット銀行の普通預金口座に毎月決まった日に自動入金される仕組みです。

自動積立はできないので、定期預金にする場合は、ネットで普通預金から定期預金に振り替える必要があります。入金自体は一度手続きをしてしまえば自動ですが、定期預金に振り替えるのを忘れると、普通預金に預けっぱなしとなってしまうので、注意が必要です。

自動入金の振替日は毎月5日か27日。給料日後の近いほうの日にちを指定しましょう。手数料は無料で毎月1万円から指定可能。金利は1年定期で0.13%。少し面倒でもお得に貯めたいなら、使ってみたい仕組みです。

SBIネット銀行で定期預金をするなら、目的別に5つまで口座を分けて管理できる目的別口座をつくるといいでしょう。たとえば、毎月3万円自動入金するとして、1万円は車購入用の口座に、2万円はマイホーム資金にと、口座を分けて管理することができます。これなら目的外の使用に回すのを避けられ、それぞれの目標に合わせた金額設定ができます。


文=伊藤 加奈子