ジェイテクトは、特殊環境用EXSEV軸受シリーズ専用生産ラインを開発し、徳島工場内に新設したことを発表した。これにより、1個単位での受注にも対応できる生産体制を整えるとともに、生産ラインの整流化や段取り時間の短縮によるリードタイムの大幅短縮を実現し、半導体製造分野などの設備開発や設備補修における小ロットや短納期の需要に対応できるという。

  • 製品の一例: NEWクリーンプロベアリング

    製品の一例: NEWクリーンプロベアリング

半導体やFPDの製造には極めて高いクリーン性が求められる。そのため、製造装置やベアリングには、発じんによる不純物の混入や放出ガスによる影響を可能な限り低減することが求められる。一般的なベアリングは、回転時の摩擦や潤滑油の飛散による発じん、潤滑油の蒸発によるガスが発生する。そこで、ジェイテクトは1998年、極めて優れた低発じん特性と低放出ガス特性を有する「クリーンプロベアリング」を開発し、さまざま特殊環境に適した「特殊環境用EXSEV軸受」シリーズを、半導体製造分野などへ供給してきた。

一方で、 近年のIT技術の急速な拡大を背景に、半導体製造分野などにおける短期間での設備開発、設備補修需要が増加するのに伴い、特殊環境用軸受の小ロットや短納期需要が高まっている。そこで同社は、「1個の受注に対応できるライン造り」 をコンセプトに掲げた、特殊環境用EXSEV軸受シリーズ専用の小ロット生産ラインを徳島工場内に新設した。

  • 新旧比較

    新旧比較

新しい生産ラインでは、クリーンな環境で1個からの生産に対応しているほか、設備段取り対策による段取り時間の短縮(従来の1/3)や、組立半自動化によるリードタイムの短縮(従来の1/6)といった特長がある。また、同社ではこのラインを活用して在庫を拡充するなど即納体制も整え、半導体メーカーやFPDメーカーなどの小ロットや短納期需要に幅広く対応していくということだ。

なお、新設ラインの稼働開始は2018年4月、販売目標は2019年売り上げ2億円増加、販売先は半導体メーカーやFPDメーカー等としている。