富士通フロンテックは4月17日、入退室管理システム向けに本人認証への適用が可能なオールインワン型の手のひら静脈認証装置「FUJITSU 生体認証 PalmSecure Connect for Gate」の販売を開始した。

  • 「PalmSecure Connect for Gate」の外観

    「PalmSecure Connect for Gate」の外観

新製品は、手のひら静脈センサ、OS、ミドルウェア、タッチパネルディスプレイなどを1つの筐体に搭載した「PalmSecure Connect」をベースに、入退室管理に必要な機能を搭載した装置。

入退室管理システムの開発・提供するベンダーは、専用のアプリケーションを開発することで、手のひら静脈認証機能を付加したシステムを提供することが可能となり、セキュリティ強化や利便性の向上を実現するという。

特徴として「手のひら静脈認証機能を入退室管理システムへの適用」「多様な設置環境に対応した環境耐性による準野外設置を実現」「スタンドアロン環境において、1:N認証(静脈データだけで判定する認証方式)を実現」の3点を挙げている。

手のひら静脈認証機能を入退室管理システムに適用した点については、入退室装置に必要な機能として外部インタフェースにLAN、RS-232C、RS-485、DIDO(データインプット・データアウトプット)、Wiegand(入退室管理システムにおいて、認証装置とコントローラの間を結ぶ世界標準規格の通信プロトコル)を採用し、幅広い規格に対応。

また、NFC(近距離無線通信、オプション)は、FeliCa、MIFARE、ISO14443 TypeBなどの非接触カードに対応している。

準野外設置に関しては、太陽光や雨が直接当たらない屋根がある野外での設置を想定し、IP55の防塵・防噴流性能(設置時は壁取付け部分のシール加工が必要)に対応していることに加え、動作温度範囲はマイナス20~50度を実現。

さらに、駆動電源は+24V DC、PoE(Power over Ethernet)によりLAN回線から受けることも可能としている。そのため、新製品は小型機器組込み向けの手のひら静脈センサ「PalmSecure-F Pro Embedded」を搭載したコンパクトなサイズのため、多様な設置環境に対応するという。

1:N認証の実現では、新製品は単体で手のひら静脈データを1万手(両手登録で5千人)格納することができ、データの中から個人を識別することが可能とし、認証サーバと連携した場合は、1万手以上の利用を可能としている。

加えて、高速なCPU(ARM Cortex A15 2Core 1.5GHz)を搭載し、手のひらを撮影する際は認証に必要な情報だけを抽出する技術を採用しているため、1:N認証において認証時間が2秒以内(1:5000手の場合)という性能を実現しているという。

  • 「PalmSecure Connect for Gate」を利用したシステムの概要例

    「PalmSecure Connect for Gate」を利用したシステムの概要例

価格は個別見積もり(別途、開発サポート費用)、出荷時期は2018年第2四半期、販売条件は最低出荷台数100台以上となり、PoE、MIFARE、ISO14443 TypeBへの対応は同12月を予定しており、今後5年間で1万台の販売を目指す。