シトリックス・システムズ・ジャパン、レノボ・エンタープライズ・ソリューションズは4月17日、Nutanixの仮想化ソフト「Acropolis Hypervisor(AHV)」とシトリックスの「XenDesktop」を組み合わせたvGPU VDIソリューションの検証を完了し、販売に向けた協業を開始すると発表した。

従来より、レノボではGPU仮想化技術を活用したCAD on VDIのソリューション事業を製造業、建設業の顧客を中心に展開している。こうしたCAD on VDIのソリューションに加え、今回、新世代の仮想基盤としてハイパーコンバージドインフラストラクチャ(HCI)の市場が伸長しており、代表的な活用例が仮想デスクトップソリューション(VDI)となっている。

一方で、Microsoft Windows 10をゲストOSとして利用すると、Windows 7やそれ以前のWindowsと比較して、仮想マシンのCPU負荷が高くなる傾向があると想定されているという。

Windows 10がローカルPC上のGPU利用を前提として作られており、Office 2016やWebブラウザなどの一般的なアプリケーションもGPUを利用するアーキテクチャになっているため、これに対応すべく両社共同で、Nutanix AHVとXenDesktopによる先進的なvGPU VDIリファレンス・アーキテクチャを開発した。

AHVは、Nutanixアプライアンス製品「Lenovo ThinkAgile HXシリーズ」上で稼働する無償の仮想化ソフト。Nutanix AOSの最新リリース5.5では、AHVの機能強化に伴いNVIDIA GPUに対応し、vGPUをサポートしている。

これにより、Windows 10のVDI化で高まる可能性のあるCPU負荷をGPUへオフロードすることで、VDI環境を比較的低コストで構築可能になるという。今回、実施した動作検証に基づき推奨構成を策定してレノボのリファレンス・アーキテクチャ・サイト「太鼓判シリーズ」としてWEBで公開を開始している。

また、レノボからThinkAgile HXシリーズのGPU搭載モデルとともに、NVIDIA GRIDソフトウェア・ライセンスをワンストップで提供するほか、レノボのLenovo Customer Experience Centerでは検証環境を常設で稼働させ、顧客のvGPU VDI導入に向けた検討をさまざまな形で支援するという。

今後、両社は同ソリューションの提案活動強化に向け、需要喚起活動としてのセミナー開催などの共同マーケティング活動および実際の提案・営業活動を共同で展開し、vGPU VDIソリューションの市場拡大を図る考えだ。