個人型確定拠出年金(iDeCo)で積み立てた資金を、一時金として受け取る場合は退職所得扱いとなり、退職所得控除を差し引くことができます。年金で受け取る場合は、国民年金や厚生年金と同様に雑所得扱いとなり、「公的年金控除」を差し引くことができます。

◆退職所得控除とは?
iDeCoで積み立てた資金を、一時金として受け取る場合は退職所得扱いとなり、退職所得控除を差し引くことができます。一時金として受け取る場合の退職所得は、お勤め先の退職金やiDeCoの給付金などを合算した収入金額から、退職所得控除を差し引いた額に2分の1を掛けて算出します。この退職所得の金額が最終的な課税対象となります。

収入金額から差し引くことができる退職所得控除の額は、「勤務年数」に比例して増加します。iDeCoでは、この「勤務年数」を「掛金を払っていた期間(拠出年数)」に読み替えて算出しますので、拠出年数が長ければ長いほど控除できる額も大きくなります。ただし、掛金を支払っていない期間は「勤務年数」としてカウントされません。掛金の拠出を停止すると、その分だけ退職所得控除として差し引ける金額は小さくなるので注意しましょう。

◆公的年金控除とは?
また、iDeCoで積み立てた資金を分割して年金で受け取る場合は、国民年金や厚生年金と同様に雑所得扱いとなり、「公的年金控除」を差し引くことができます。年金として受け取る場合の雑所得は、公的年金や企業年金など、年金形式で受け取る金額を合算した収入金額から、公的年金控除を差し引いて算出します。

公的年金控除額の計算式は、65歳未満と65歳以上で異なり、収入金額によっても異なります。なお、公的年金の収入(予定)額が多い方がiDeCoで年金受取を選択すると、雑所得として課税される額が大きくなるだけでなく、健康保険料や介護保険料の負担が重くなる可能性もありますので注意しましょう。

実際に一時金として受け取るか、年金として受け取るかの決定は、加入時ではなく、60歳以降の受給手続きの際に行っていただきます。受給に際しては、iDeCo以外の退職所得のほか、公的年金の給付予定額も考慮に入れた上で、最終的な受取方法とタイミングを決めることをおすすめします。

文=篠田 尚子