前年の所得に応じて個人住民税の額が決まると、支払義務のある住民は個人住民税を支払わなくてはなりません。個人住民税の支払い(納付)を行うためには納付書が必要です。普通徴収や「公的年金からの特別徴収」の場合、住民税の「納税通知書」「納付書」は通常は6月上旬に届けられます。

◆個人住民税の普通徴収とは?
個人住民税の納付方法には普通徴収と特別徴収があります。まずは普通徴収から確認しましょう。個人住民税の普通徴収とは、自営業者など、給与所得者(会社員など)や年金受給者以外が、納税通知書により、6月、8月、10月、翌年1月の原則年4回に分けられた税額(1回で納税も可)で、それぞれの月の納期限までに納める制度です。個人住民税の年額は同じなのですが、特別徴収と比べ1回あたりの納税額が多いのが特徴です。従業員が途中で退職した場合は、特別徴収から普通徴収になります。

◆個人住民税の特別徴収
個人住民税の特別徴収とは、個人住民税年額を毎月12回に分けて支払う制度で、「給与所得者に係る特別徴収」と「公的年金受給者に係る特別徴収」があります。

◆給与所得者に係る特別徴収
給与所得者に係る特別徴収とは、事業主(特別徴収義務者)が毎月の従業員の給与を支払う時に、従業員の個人住民税(市民税及び県民税を合わせた額)をその年の6月から翌年の5月までの12回に分けて給与から差し引きし、市区町村に納入する制度です。

■事業主が特別徴収を行う流れ
・毎年1月31日までに、従業員(アルバイト、パート、役員等を含む)の方の給与支払報告書(総括表・個人別明細書)を市区町村に提出する。
・市民税・県民税特別徴収税額の決定・変更通知書の送付:給与支払報告書等が提出されると、市区町村で個人住民税額を計算し、毎年5月中旬頃に『市民税・県民税特別徴収税額の決定・変更通知書』が事業主に送付されます。
・市民税・県民税特別徴収税額の決定・変更通知書:従業員のそれぞれの毎月の給与から徴収する税額及びその合計額(事業主が毎月市区町村に支払う金額)等が書かれた「特別徴収義務者用」と、従業員それぞれに配布する「納税義務者用」に分かれています。
・「市民税・県民税特別徴収税額の決定・変更通知書」の確認:「納税義務者用」が従業員に渡されます。5月の給与明細と一緒に配られることが多いです。
・事業主は、従業員から個人住民税を6月から翌年5月までの毎月の給与から天引きし計12回に分けて徴収する。
・事業主は、それぞれの従業員から徴収した税額合計を、原則翌月10日までに市区町村の銀行口座・郵便局口座に支払う。

◆ 公的年金受給者に係る特別徴収
その年の4月1日に前年度以前から老齢基礎年金等を受給している65歳以上の公的年金受給者(単身者155万円超える年金額の方)の個人住民税(市民税・県民税)は、年金支払者(特別徴収義務者)が毎支給月に年金を受け取る時、市から通知された税額が差し引かれます。公的年金からの特別徴収が始まる最初の年は、6月及び8月に「普通徴収」で年額の4分の1を納め、10月から「特別徴収」により毎月納めることとなります。

◆個人住民税の納付書はいつ届く?
都道府県民税と市区町村民税は、市区町村の役所が合わせて集めます。前年の所得税が確定してから、市区町村の課税課が住民税を計算し、「住民税納税通知書」の納税者に送付します。普通徴収や「公的年金からの特別徴収」の場合、「納税通知書」「納付書」は通常6月上旬に届けられます。普通徴収で4回払いを選んだ場合、6月、8月、10月、翌年1月の納入期限の前に、4回に分けて納付書を送る自治体もあります。

「納税通知書」「納付書」には、年税額、税額の計算、住民税額の決定、徴収時期などが書かれています。給与所得者が退職した場合は、特別徴収から普通徴収になります。また、給与所得者は「市民税・県民税特別徴収税額の決定・変更通知書」の「納付義務者用」を5月下旬ころ受け取ります。給与が年100万円以下、2か所から給与をもらって片方から毎月給与天引き(特別徴収)されている、従業員数が2人以下等、5月末までに退職予定等の事情がある以外は、個人住民税は特別徴収となります。

文=拝野 洋子